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富樫勇樹にとっての“オリジナル”。
「常にバスケを楽しんでいます」

posted2019/10/21 11:00

 
富樫勇樹にとっての“オリジナル”。「常にバスケを楽しんでいます」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

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Takuya Sugiyama

バスケットボール選手として一際小さい身長ながら、千葉ジェッツそして、日本代表でも活躍する富樫勇樹。日本バスケット界を代表するポイントガードがこだわるオリジナリティを聞いた。

「あなたにとってオリジナリティとは?」

 この質問に沈黙を続ける、富樫勇樹。待つことおよそ5分。日本バスケ界を代表する司令塔が、ようやくペンを取った。

「“常に楽しむ”やっぱりこれですね。 今さらスピードとか書いても、普通すぎて面白くないでしょ。“常に楽しむ”。これに決めました」

 優勝を決める大一番やメダルのかかった大会前、多くのアスリートは「楽しみたい」と口にする。しかしその言葉の裏側には、そう思わなければ普段と同じパフォーマンスを保てないほどの重圧を感じている様子が見え隠れする。

 富樫自身もかつてそんなプレッシャーを感じたことがあった。中学を卒業後に単身渡米し、NBAプレーヤーを多数輩出するモントロス・クリスチャン高校にバスケ留学を果たした。しかし、そこでは思ったようなプレーができなかった。

「最初の1年は、自信がなかったこともあって、試合に出たらどんなプレーをしようかとずっと考えていました。考え過ぎているからいざ試合に出場できても緊張して思い通りに身体が動かない。結局、試合にはこれまで練習でやってきたことしかできないんです。試合の数時間前に今さらこれをしようとか考えてもいいプレーなんてできないことに気が付きました」

 どんな大試合も、休日に近くの体育館をふらっと訪れ、ピックアップゲームをするような気持ちで臨む。だから、富樫には試合前のルーティンは存在しない。

「遊びに行っているというと言い過ぎですけど、試合、試合と意気込むよりもそれくらいの気持ちで試合に入った方がいいプレーができる感覚があります。昔は緊張することもありましたけど、最近は本当に試合を楽しんでいます」

【次ページ】 アリーナが沸く瞬間を1つでも多く。

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