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先進的テクノロジー搭載「グライドライド」で
RUNはどう変わるのか。

posted2019/09/26 11:00

 
先進的テクノロジー搭載「グライドライド」でRUNはどう変わるのか。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

取材に応じてくれたのは石指智規さん(右/アシックスパフォーマンスランニングフットウェア統括部開発部)

text by

柳橋閑

柳橋閑Kan Yanagibashi

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Shigeki Yamamoto

ランニングシューズは進化している。もしかすると、私たちの走りを変えてしまうほどの著しい進化だ。アシックスの開発者に、先進的な技術がシューズをどう変えたのかを聞いた。

 なんなんだ、この靴は……?

 今年の春、アシックスが発表した新しいランニングシューズ「メタライド」を試したときの率直な感想だ。モーターボートの舳先のように反り上がった前足部の形にも驚いたが、実際に履いてみると、最初はどうやって走ればいいのかよく分からなかった。普段どおりミッドフットで着地すると、どうにも感触が硬い。しばらく試行錯誤するうちに、踵から着地するとスムースに“乗れる”ことが分かってきた。

 着地後は、靴の動きに任せて前に転がるように乗り込む。キックはせずに自然に地面を離せば、靴が振り子のように前に出てくるので、そのまま着地する。いったんコツが掴めると、独特の乗り味がおもしろくなってきた。ランニングシューズを履き慣らすというよりも、新しい乗りものに乗っているような感覚だ。「こう走ってほしい」と語りかけてくる、明確な意思を持ったシューズというのも珍しい。

9月に新色が発売される「メタライド」。一度は試したい優れモノだ。

 そのメタライドの機能を受け継いだファミリーモデル「グライドライド」が発売されると聞き、さっそく取材に向かった。

 両モデルの開発担当を務める石指智規さんによれば、そもそもメタライドは「これまでアシックスが培ってきた知見にとらわれず、ゼロベースで新しいものを作ろう」ということから始まったのだという。デザイナーやISS(アシックススポーツ工学研究所)のメンバーと議論を繰り返す一方、社内のランナーにヒアリングをする中でヒントが見つかった。

「『おいしいものをいっぱい食べたいから走っているんだ』『とにかく長く走りたい』という人がいたんです。レースやタイムとは別に、そういうランナーの欲求を満たすシューズはできないかと考えて、コンセプトを固めていきました」

【次ページ】 走行効率と自然な履き心地の両立。

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