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<3競技のトップアスリートが鼎談>
過酷な環境に挑み続ける。

posted2019/09/12 12:10

 
<3競技のトップアスリートが鼎談>過酷な環境に挑み続ける。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

SUBARUがサポートするスキー、自転車、カヌーの3競技から世界への挑戦を続ける3選手が集結。それぞれの競技への想いを語り合った。
堀島行真

堀島行真Ikuma Horishima

1997年12月11日、岐阜県生まれ。1歳からスキーに親しみ、小学4年から本格的にモーグル競技を始める。2017年の世界選手権で、男子では大会史上初のモーグル、デュアルモーグルの2冠を達成。'18年、平昌大会で自身初の五輪出場を果たした。

畑中勇介

畑中勇介Yusuke Hatanaka

1985年6月21日、東京都生まれ。中学でロードレースを始め、高校卒業と同時に渡仏。4年間プロチームで活躍した後、2008年にスキル・シマノのトップチームへ移籍する。'15年にTeam UKYOに加入。'17年、全日本選手権ロードレースで初優勝を果たす。

足立和也

足立和也Kazuya Adachi

1990年10月23日、神奈川県生まれ。幼稚園の頃からカヌーに触れ、小学4年から本格的に競技を始める。2016年には、カヤックシングルで日本人として初めてW杯の表彰台に登る。現在五輪代表候補として、東京2020への出場を目指し奮闘中。

――今回、SUBARUがサポートするスキー、自転車、カヌーの3競技からモーグルでW杯優勝を果たした堀島行真さん、Team UKYOのエース畑中勇介さん、そしてカヤックシングルで活躍されている足立和也さんの3選手に集まっていただきました。皆さんには過酷な環境の中で挑戦を続ける競技への熱い想いを語っていただきたいと思いますが、このように他の競技の選手と会う機会はよくあるんですか?

堀島 スキーの他の種目の選手とは交流がありますけど、足立さんみたいに夏の競技の選手と会うのは今回がほぼ初めてです。

足立 私も表彰式でいろいろな競技の方と一緒になることはあります。でもそういう場ではあまり話をする時間はないので、他の競技のアスリートとじっくり話し合えるのはとても楽しみです。

畑中 競技は違っても、二人とも活躍している選手なので競技に対する熱量や想いは同じだと思うんです。今日はいろいろな話を聞きたいですね。

――皆さん世界を舞台に活躍されていますが、最初に世界への挑戦を意識したのはいつ頃でしょうか?

畑中 僕の場合は、高校を卒業してプロになるために、すぐにフランスに渡りました。自転車競技に興味のない方でもツール・ド・フランスというロードレースは知っていると思いますが、自転車競技はフランスが本場なんです。プロの世界にはU23のカテゴリーに大きな壁があって、このカテゴリーのメジャー大会で勝つと世界のプロチームからスカウトの声がかかります。ただ、日本には実績となるような大会がないんです。あるとしたら日本代表に選ばれて世界選手権で優勝するくらい。アジア選手権で優勝しても何の評価にもならない。

 僕は今年で34歳になるんですけど、今と違って当時はインターネットもまだ普及していなくて、どうしたらヨーロッパでプロのロードレーサーになれるかを調べようがありませんでした。だったらヨーロッパの選手がプロになるのと同じ道筋を辿るしかないと思ったんです。本当は高校を中退して、行こうと思っていたんですけど、それは先生に止められました(笑)。

堀島 僕の場合は小さい頃からスキーは始めていましたが、小学校6年生のときにバンクーバーで開かれた世界大会をテレビで見て、いつかこの大会で金メダルを獲りたいと思いました。それが世界を意識した初めての瞬間ですね。でも、どうしたら代表選手になれるかも分からない。本当にただの夢だったのですが、中学2年生のときにジュニアのナショナルチームに選ばれて、それから現実的な目標になりました。

足立 私は二人とはちょっと違って、男の子なら誰でも憧れると思うんですけど、まず最初に世界一になりたいという夢があったんです。じゃあ何で世界一になろうかと考えたときに、たまたま通っていた幼稚園がアウトドアを積極的に取り入れているところで、遊びの延長ですけど習っていたカヌーがすごく楽しくて、自分が好きなカヌーでなら世界一になれるんじゃないかというのがスタートです。

畑中 やっぱり子どもの頃の憧れというのは大きいですよね。僕が自転車競技を始めたのもツール・ド・フランスの映像を見たのがきっかけでしたから。中学生で国内のレースに出場したり、 観戦するようになるんですけど、その頃はフランスに行こうなんて全く考えてませんでした。でも、日本では年に1回だけ海外からトップクラスの選手が出場するジャパンカップサイクルロードレースが開かれるんです。それこそ、SUBARUさんがサポートしている大会でもあるんですけど、そこで初めて世界のトップレーサーの走りを見たときにこれは日本でいつも見ているレースとは別次元だと、衝撃を受けました。そこでフランスに行こうと決めたというのもあります。

【次ページ】 3人が目指す「一番嬉しい瞬間」。

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