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<スペシャル鼎談>
五郎丸歩×伊藤慶太(NHKアナ)×中野謙吾(日テレアナ)
熱狂を伝える3人の男たち。

posted2019/09/12 11:50

 
<スペシャル鼎談>五郎丸歩×伊藤慶太(NHKアナ)×中野謙吾(日テレアナ)熱狂を伝える3人の男たち。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

放送局の垣根を越えてラグビーを盛り上げたい。その思いから、NHKと日本テレビの夢のコラボレーションが実現。NHKのナビゲーターに就任した五郎丸歩と、両局アナウンサーがW杯の見どころを語り合った。
五郎丸歩

五郎丸歩

1986年3月1日、福岡県生まれ。佐賀工業高、早大を経て、'08年ヤマハ発動機に入団。'15年W杯ではFBとして日本の躍進に貢献し、計58得点を記録。大会後にはベストフィフティーンに選出された。'16年2月に豪レッズ、同年8月には仏のトゥーロンでプレーし、'17年よりヤマハに復帰。185cm、100kg。

伊藤慶太

伊藤慶太NHKアナウンサー

1972年1月7日、秋田県生まれ。秋田高在学中に第61回選抜高等学校野球大会に出場。学習院大を経て、'96年NHKに入局。長年スポーツ中継に携わり、五輪は'08年北京、'12年ロンドン、'16年リオ、ラグビーW杯はイングランド大会など様々な大会を担当。野球、ゴルフ、競泳など数多くの中継を務める。

中野謙吾

中野謙吾日本テレビアナウンサー

1981年6月30日、福岡県生まれ。小学生からテニスを始め、明治学園高、明治大在学中に全国大会へ出場。'04年に日本テレビ入社。ニュースやナレーション、情報番組でキャスターを務めるほか、サッカー、ボクシングなどのスポーツ中継を担当。ラグビーW杯は、仏大会から4大会連続で携わる。

――ワールドカップの開幕まであと少しとなり、お三方とも準備に余念がないと思います。国内のムードも高まってきましたが、その原点となったのが4年前の南アフリカ戦です。五郎丸さんはあの試合を、どんな思いで振り返られますか。

五郎丸 実は、昔の試合はほとんど見ないんですよ。現役ということもあり、シーズン中は試合の準備に追われますからね。今年に入ってワールドカップを振り返る番組で通しで見ましたが、選手一人ひとりが戦いにいくために最高の準備をしていたのが分かります。みんな、本気で日本のラグビーの歴史を変えようと思ってましたから。

伊藤 私はピッチレベルにいて、ベンチにいるリザーブの選手たちの後ろで見ていました。後半15分が過ぎても接戦。体がゾクゾクしてきて、「何かが起きる」という予感がしたのを覚えています。そして逆転トライでの勝利。あのスタジアムの一体感は忘れられませんし、私のキャリアの中でも大切な一日、試合になりました。

中野 あの試合を実況していて、思い出したのは宮崎での合宿でした。取材中、ある選手が「今って、夕方でしたっけ? それとも朝でしたっけ?」と質問してきたんです。五郎丸さんをはじめ、選手全員が時間の感覚がなくなるほど追い込んでいたからこそ、世界に衝撃を与える試合が出来たんだろうなと思いました。

五郎丸 伊藤さんと中野さんの話を聞くと、懸命に努力を重ねてきたことが報われたなと実感します。2013年、ジャパンはウェールズに勝ちましたが、翌日のスポーツ紙の見出しはプロ野球の方が大きかったんです。勝っても何も変わらない……。そんな悔しさがありましたが、南アフリカに勝ったことでラグビーを取り巻く環境がガラッと変わりました。

【次ページ】 日本代表が証明した「地力」とフィジカルレベルの向上。

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