Number ExBACK NUMBER

いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」
見延和靖(フェンシング選手) × 吉岡里帆(女優) 

text by

資生堂

資生堂SHISEIDO

PROFILE

photograph bySHISEIDO

posted2019/08/10 11:00

いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」見延和靖(フェンシング選手) × 吉岡里帆(女優)<Number Web> photograph by SHISEIDO

日の丸の重みを感じる

吉岡 2013年にイタリアへ単身武者修行に行かれましたが、どんな目的だったんでしょうか?

見延 イタリアに行った目的は、技術を学ぶことと、海外の選手と剣を合わせる経験がまだ圧倒的に少ない時期だったので、その経験値を積むことでした。国によっていろいろなプレースタイルがあるんですけど、イタリアは攻撃的で、前に出て相手と駆け引きするスタイルなんですね。それが性格的にも僕に合ってるなと思って。あと食べ物もおいしいですから(笑)。

吉岡 それ、大事です(笑)。その甲斐あってか、2015年にワールドカップ男子エペ個人戦で初優勝を飾られます。

見延 武者修行が優勝につながったのは間違いないです。エペという種目は、今でこそ世界と戦えるレベルまで上がってきましたが、それまで日本が強かったのはフルーレなんですね。だから国内の指導者にはエペの専門的な知識があまりなくて。イタリアで教わることはどれも目から鱗というか、新しい発見の連続だったので、どんどん吸収してプレースタイルも変わっていきました。

吉岡 現在、見延選手は世界ランキング2位です。トップ選手としての緊張感や「次もいい成績を残さないといけない」というプレッシャーはありますか?

見延 うーん、なくはないですね。今年5月のグランプリ大会で優勝した後、次の大会で海外の選手やコーチからけっこうな勢いでイジられたんです。「おい、チャンピオンだぞ! 道を開けろ!」みたいなことを言われて。

吉岡 イジられてないと思います(笑)。評価です、評価!

見延 でも僕は勝手にそういうふうに思ってしまって、その大会では1回戦で負けてしまったんです。やっぱりプレッシャーを感じてたのかなと思います。あまり考えたらいけないと思ってるんですけどね。

吉岡 見延選手は団体戦にも出場されていますが、個人戦と団体戦のモチベーションの違いを教えてください。

見延 もうまるっきり違います。もちろん個人戦も団体戦も同じジャパンの名を背負って戦うわけですけど、団体戦のほうが日の丸の重みを感じます。ワールドカップで優勝した時も、個人戦より団体戦のほうがはるかに喜びが大きかったです。

吉岡 団体戦の映像を観るとほっこりします。チームワークがすごくよくて(笑)。

見延 団体戦と言っても1対1の勝負なので、個人戦と似たように思われがちですけど、国によってだいぶ違いますよね。日本はやはりチームワークのよさが強みですし、例えばイタリアだと個の戦いの側面が強くて、負けた選手はマスクを脱いでひとりでベンチを出ていっちゃったりとか。

吉岡 国民性が出るんですね(笑)。日本だと、ひとり負けても「俺たちがいるから大丈夫!」みたいな雰囲気があって。

見延 そうですね。みんなで補うんだという考え方で団体戦を戦っているチームは、世界的にも数チームしかないと思います。

吉岡 そんな素晴らしい日本チームのキャプテンとして、チームをどうやってまとめていきたいと思ってますか?

見延 心の準備がまだ整ってない若い選手もいるので、上に立つ自分が弱気な姿勢を見せることなく、しっかりと引っ張っていかなきゃいけないと思います。チームで過ごす時間を大事にしながら、イメージを共有して、いいチームワークを作っていきたいなって。

吉岡 キャプテンの鑑!

見延 いやいやいや(笑)。個性の強い選手たちなので、突拍子もないことを言ってきたりするんですけど、話をちゃんと聞いてあげると正しい部分も1%くらいはあって。その1%を拾いあげていくと、きちんと形が見えてくるので、僕も得るものがあるんですよね。

吉岡 受け止め方の幅と深さがすごいです!

見延 時には「しっかりしろ!」みたいなことも言いますけど、同じ目的地が見えていれば、いろんなルートがあっていいと思います。だから「みんな伸び伸びやろうよ!」って。

【次ページ】 あと10年はトップ選手で

BACK 1 2 3 NEXT

ページトップ