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コパ・アメリカで痛感した世界との差。
東京五輪戦士がJリーグで誓う成長。

posted2019/07/04 14:00

 
コパ・アメリカで痛感した世界との差。東京五輪戦士がJリーグで誓う成長。<Number Web> photograph by AFLO

写真左から杉岡大暉(湘南ベルマーレ)、前田大然(松本山雅FC)、三好康児(横浜F・マリノス)

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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AFLO

 南米王者決定戦「コパ・アメリカ」。アジアからの“招待客”として20年ぶりに参戦した日本は、この大会で何を手に入れたのだろう。

「東京五輪世代+海外組オーバーエイジ」で構成された日本代表は、チリ、ウルグアイ、エクアドルを相手に「幼さ」や「もろさ」と紙一重のフレッシュさやポテンシャルを示した。時に圧倒され、時に主導権を握る展開から感じられたのは、陰陽両面が見えたからこその確かな手応えだ。

 2分1敗という戦績でのグループリーグ敗退はおそらく客観的に見れば妥当だが、やはり経験と、それから勝負に懸ける気迫では大陸王者を目指す南米勢に大きく劣る。だからこそ、たとえ“招待客”であっても南米王者を決する真剣勝負の舞台を踏めたことの意味は大きい。

「あのコパ・アメリカがあったからこそ」

 いつか、そう語れる選手が何人いるか。コパ・アメリカを経験した選手たちの今後の成長は、今後の日本のレベルアップを測る上で重要なバロメーターとなる。

長友超えの期待が高まる杉岡大暉。

「組織として戦えているからこそ、そこでもう一歩、勝ち切るところは日本の課題。やっぱり、その結果にこだわらなきゃいけない」

 3試合にフル出場した左サイドバック、杉岡大暉にとってこの大会は特別な経験となったに違いない。A代表デビューとなったチリ戦ではサイド攻撃を得意とするチリのパスワークとプレッシャーに翻弄され、数的不利に追い込まれて何度もピンチを招いた。しかし、続くウルグアイ戦では中島翔哉との絶妙な連係で左サイドの主導権を握り、たびたび好機を演出して存在感を誇示。“守備から攻撃”という本来のリズムを作ったことで躍動感が高まり、世界のトップレベルを相手にしても“自分たち次第”で十分に通用することがわかった。

 千葉の名門、市立船橋高出身。2016年にはキャプテンとしてチームをインターハイ制覇に導き、複数クラブの争奪戦の末、湘南ベルマーレに加入した。ルーキーイヤーの2017年はJ2リーグで開幕スタメン。同年には世代別日本代表としてU-20ワールドカップに出場し、順調に右肩上がりの成長曲線を描いている。

 高精度のクロス、強烈なミドルシュートを生む左足が彼の個性だ。日本代表の左サイドバックには長友佑都がいるが、その高い壁に挑み、乗り越えるだけのポテンシャルが彼にはある。

【次ページ】 世界に通用する武器を持つ前田大然。

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