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<19歳の大器>
村上宗隆「真の4番となる日まで」

posted2019/06/17 15:00

 
<19歳の大器>村上宗隆「真の4番となる日まで」<Number Web> photograph by Tokyo Yakult Swallows

text by

長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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Tokyo Yakult Swallows

今季最も注目を集める若手スラッガーは高卒2年目。まだ粗削りながらもその豪快なバッティングは、“真の4番”へと成長する可能性を秘めている。(Number980号掲載)

 その瞬間、東京ドームにどよめきが起こった。5月12日、試合前のスタメン発表。場内に「4番ファースト、村上」のコールが響き渡ったからだ。10代の選手が4番で先発するのは、当時西武に在籍していた'87年の清原和博以来のことだという。平成時代には一度もなかった「10代の4番」が、令和改元早々に実現したのだ。後日、小川淳司監督に起用の意図を尋ねると、指揮官の頬が緩んだ。

「単に故障者が相次いだので他に選手がいなかっただけです。村上には十分にその実力はあると考えた上での起用でした」

 確かにこの日の巨人戦は青木宣親、山田哲人、バレンティンと主軸3人がコンディション不良で欠場するという緊急事態。その中での窮余の策だった。しかし、それから約2週間後の5月29日の広島戦では青木も、山田も、そしてバレンティンもベンチ入りしているにもかかわらず、村上が4番を務め、初回にはライトスタンドに突き刺さる豪快な第14号スリーランを放っている。

 小川監督に「多少のミスを補って余りある打撃ですね」と水を向けると、指揮官の表情は引き締まり、その口調は一転する。

「いや、余りあるということはないですよ。彼の長打力は本当に魅力的。それでもエラーやミスによって、試合の流れは大きく変わりますからね。結果論で失敗を責めることはしないけど、もっともっと(守備の)練習しろよ、とは何度も言っています」

 ヤクルトは開幕ダッシュに成功し、一時は単独首位となったものの、5月に入るとチーム成績は急降下。リーグワーストタイ記録となる、まさかの16連敗という屈辱にまみれた。

 たとえプロ2年目の10代であろうとも、4番という重責を任された村上の責任は軽くはない。交流戦開幕時点で、チームトップとなる14本のホームランを記録し、打点部門では広島・鈴木誠也、巨人・坂本勇人とトップ争いを演じている。それでも、チームに白星をもたらすことができなければ、「4番失格」の烙印を押されても仕方ない。すでに4番から外れている村上も、自身の役割の重さを自覚している。

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