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浅田真央&伊藤みどり、特別対談。
トリプルアクセルへの思いとバトン。 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

PROFILE

photograph byKotori Kawashima

posted2019/05/04 11:00

浅田真央&伊藤みどり、特別対談。トリプルアクセルへの思いとバトン。<Number Web> photograph by Kotori Kawashima

浅田真央(左)と伊藤みどり。2人のスケーターが対談で飛び切りの笑顔を見せてくれた。

自分自身と葛藤する中で。

浅田 私は2014年ソチ五輪後に1年間休養をとって復帰しましたが、みどりさんも引退して3年後に復帰されましたよね。

伊藤 引退したときはもう絶対にやりたくないと思っていたんだけど、滑れるうちは……とプリンスのショーには出演していたんです。他のスポーツは引退すると、人前で戦ったり、演技を披露する機会がなくなるでしょ。でもフィギュアスケートは引退しても「滑る」仕事、世界がある。その礎を大きくしていくことが自分の役目の1つだと思って実際に滑っていたんだけど、しばらくするとやっぱり良い演技をしたいって思うようになるんです。そしてショーを続けながら現役復帰を決断して、'98年長野五輪の2シーズン前に復帰。ただ、日本国内では勝てたけれど、世界はアメリカのミシェル・クワンたちの時代に突入し、若い世代の勢いや世界は変わっているんだということをあらためて痛感しました。

浅田 私も復帰してみると、「もう自分の時代じゃない」と感じました。ただ、平昌五輪までやると宣言していたので、自分自身と葛藤していました。有言実行で生きてきたスケート人生なのに、成し遂げずに引退するのはどうなんだろうって。

純粋にスケートを楽しんでいます。

伊藤 今はショーで滑っているけど、何か違いはある?

浅田 選手時代はルールがあって、スケートを楽しんだり、何かを表現するというよりも、スポーツの限界に挑戦し続けるという感じでした。フィギュアはスポーツだと強く意識していましたから。周りからのプレッシャーもあって、16、17歳頃から純粋に楽しむことはできなくなっていましたね。今になってようやく子どもの頃のように、純粋にスケートを楽しむことができるようになってきたのかなとも思います。もちろん、ショーも緊張しますし、状態を維持するのはすごく大変なことですけど。

伊藤 真央ちゃんは、佐藤信夫先生の指導を受けて習得した技や基礎からやり直したことが、'16-'17シーズンの『リチュアルダンス』頃から一気にプログラムに現れるようになりましたよね。だから、真央ちゃんはこの先、もっともっとうまくなるよ。

浅田 えっ、そうなのかな(笑)。みどりさんも2018年はいろいろなショーに出演されていましたよね。

伊藤 めずらしいところだと、ゲーム・アニメの『艦隊これくしょん─艦これ─』のアイスショー、『「艦これ」鎮守府“氷”祭りin幕張特設泊地─氷上の観艦式─』にも出演しました。

【次ページ】 ぜひまた一緒に滑りたいですね。

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