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狙った“その一瞬”を逃さないために。
スポーツカメラマンが求める「技術」。

posted2019/04/25 10:30

 
狙った“その一瞬”を逃さないために。スポーツカメラマンが求める「技術」。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph by

Naoya Sanuki

フィルム時代から第一線でスポーツを追い、技術やツールの変化と共にシャッターを切り続けた小誌カメラマンが、FUJIFILMのミラーレスカメラ『Xシリーズ』の最新モデルを体験する。

 興奮と感動の瞬間を切り取るスポーツ・フォトグラフの醍醐味――。

 春先だというのに身を切るような冷たい“蔵王おろし”が吹き荒れていたスポーツランドSUGO。カメラマン佐貫直哉は、土煙が舞うモトクロス場でライダーたちの姿を追った。モトクロスバイクは激しく赤土を巻き上げながら疾走し、特有の甲高い排気音をあたりに響き渡らせていた。

 30年以上もの間、数々の世界的なスポーツイベントを撮影してきた佐貫が手にし、構えるカメラはFUJIFILMのXシリーズ第4世代モデルとなる『X-T3』。自身にとってスポーツシーンで初めて使用するミラーレスデジタルカメラ。果たして、その実力やいかに。

 佐貫がまず驚かされたのがその軽さだ。

「大口径の明るいレンズを付けても手に収まるこの軽い感覚は、今まで経験したことのないものですね。普通は一脚などが必要な状況であっても、手持ちで動き回って使えるのでストレスが少ない。とくに今日の撮影は山道を何往復も歩かなければいけないので取り扱いが非常に楽ですね」

シャッターが気持ちよく切られてゆく。

 バイクが爆音とともに猛スピードで向かってくる。佐貫が陣取ったのは、アップダウンの激しいコーナーの路肩である。

 派手な色彩のバイクが次々と視界に現れ、起伏に富んだスクリュー状のコースでテール・トゥー・ノーズのバトルが繰り広げられる。コース上を競り合うバイクを、ファインダー越しに佐貫が狙う。一瞬の出来事。シャッターが気持ちよく切られてゆく。

「これまでミラーレスカメラの電子ビューファインダーというものに馴染めなかったんですけど、この『X-T3』は違和感なく使用することができますね」

 またスポーツ・フォトグラフに最も求められるオートフォーカス(AF)の素早い反応と正確なピントだが、狙った被写体に瞬時に反応し、最後まで捉え続ける機能は非常に高いと感じたという。

「モトクロスの場合、飛び出す直前に死角に入ってしまうので、バイクが現れるおおよその場所は予測できても、正確な位置まではわかりません。けど、どの方向どの角度であっても、飛び出してきた瞬間にバイクを捉えられるようにAFが補足されるので、安心感はありましたし期待以上の性能でした」

【次ページ】 ミラーレスとスポーツ写真の可能性。

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