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テニス国際大会が4月まで日本で連続開催。
富士薬品が与えたインパクトとは?

posted2019/03/28 16:00

 
テニス国際大会が4月まで日本で連続開催。富士薬品が与えたインパクトとは?<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

「富士薬品セイムス ウィメンズカップ in 大阪体育大学」は2月25日~3月3日にかけて開催された。

text by

生島洋介

生島洋介Yosuke Ikushima

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Shigeki Yamamoto

 3月3日に行なわれたITF(国際テニス連盟)ワールドテニスツアー「富士薬品セイムス ウィメンズカップ in 大阪体育大学」の決勝で、第1シードのセルビアのイヴァナ・ヨロビッチが中国のルー・ジャジンを下し、堂々の優勝を果たした。

 フェドカップのセルビア代表でもあるヨロビッチは、世界のトップ選手が顔を揃えるWTA(女子テニス協会)ツアーの「ドバイ・デューティーフリー・テニス選手権」に前週まで出場し、予選を突破して2回戦に進出。今大会の優勝によりWTAランキングを100位(3月14日現在)に上げた実力者だ。

優勝したイヴァナ・ヨロビッチ。彼女のような選手のプレーを無料で観られるのも大会の魅力のひとつ。

 そんな21歳の有望株が出場したITFワールドテニスツアーとは、WTAツアーの下部にあたるカテゴリー。グランドスラムを頂点とする上位大会へのいわば登竜門で、今季から新ポイント制度が導入され、大会の規格も整理された。賞金総額10万~6万ドル規模、2万5000ドル規模、1万5000ドル規模の3ランクに分けられ、WTAポイントは2万5000ドル大会の本戦以上でのみ付与されるようになっている。

 日本でこの下部カテゴリーの大会が集中的に開催されてきたのがもともと3、4月だ。シーズンの序盤というタイミングや大学生やジュニアの春休み時期、そして恵まれた天候などがその理由だが、今季はさらに拡大し世界的にも例を見ない規模となった。既存大会の主催者からの働きかけに、複数の大会をスポンサードしてきた富士薬品が賛同する形で会場や時期の調整が進んだ結果、なんと2月下旬から8週連続の開催となったのだ。しかもそのすべてが2万5000ドル以上の大会である。

 選手にとって、自国開催の国際大会は多ければ多いほどありがたい。資金の乏しい若手や学生、ジュニアも転戦の経費を抑えながらWTAポイントを狙えるからだ。お金の心配だけなく、宿泊先や食事、移動手段の確保などに煩わされることなく、テニスに集中できるのも大きなメリットだ。もちろん、ポイント獲得だけでなく、トップ選手の試合や練習などを間近に見て学ぶ機会にもなるだろう。

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