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<レジェンドインタビュー>ショーン・ホワイト「アユムには天賦の才能と情熱がある」 

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徳原海

徳原海Kai Tokuhara

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2018/04/23 06:00

<レジェンドインタビュー>ショーン・ホワイト「アユムには天賦の才能と情熱がある」<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA
ともに大怪我を乗り越えて挑んだ五輪の大舞台。 12歳差の好敵手を相手に、最終滑走で自身初の連続4回転技を成功させ金メダルを掴んだ。 あの激闘を振り返り、王者は何を思うのか――。

 この冬ほどスノーボードが脚光を浴びたシーズンは過去になかっただろう。平昌五輪の男子ハーフパイプ決勝。ショーン・ホワイトと平野歩夢による異次元の戦いは、これまでスノーボードに興味のなかった人たちの心を掴むのにも十分だった。激闘から約3週間後の3月9日、“主演”の1人を訪ねた。場所はUSオープンが開催されていたアメリカ・コロラド州ベイル。大会にエントリーしていなかったせいか、あるいは大仕事を終えた安堵からか、ショーンはいつになくリラックスした様子で五輪決勝でのエピソードを語り始めた。

「(決勝1本目直後にヘルメットを投げたことを)すぐ後悔したよ。だって僕が平昌に持っていっていた唯一のヘルメットとゴーグルだったから(笑)。でも、それくらい1本目から興奮が抑えられなかったんだ」

 3本目の最終滑走で平野を超える97.75を叩き出し、自身3度目の金メダルが決まると今度は人目もはばからず雪上で泣き崩れた。スノーボードの“絶対王者”、または“生きるレジェンド”。そう呼ばれて久しい31歳が、まるで初めて大会で優勝したティーンエイジャーのようだった。

「最後のランでアユムを逆転できた瞬間はこれまで経験したことがないくらいの喜びに全身が包まれたよ。(平昌に入る前から)ずっと神経が高ぶっていたからね。自分の中にくすぶっていたプレッシャーや葛藤が一気に取り払われた感じがしたんだ」

 これまでトリノ、バンクーバー五輪を連覇し、XゲームズやUSオープンといったメジャー大会でも数え切れないほどのタイトルを手中に収めてきたショーンが、それほどの緊張感と熱量で平昌五輪に向き合い、感情を爆発させた理由は大きく3つ。まずは4年前の雪辱にかける思いだ。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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