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<Have a Dream 夢追い人の挑戦>
ジュビロ磐田・小川航基が目指す場所。

posted2019/02/28 11:00

 
<Have a Dream 夢追い人の挑戦>ジュビロ磐田・小川航基が目指す場所。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

J.LEAGUE

夢に向かって努力を重ねるアスリートに迫る連載。
第4回は今季の飛躍を誓うストライカーが登場。

 挫折を乗り越えた先に、夢をつかむ瞬間がある。

 21歳、ジュビロ磐田の若きストライカー、小川航基は身を以って経験している。

 小学生のころ、なりたい職業はサッカー選手。だが「なれるわけがないと思っていました」。体と心を鍛えるために朝5時に起きて自宅近くにある神社の階段をダッシュしたというエピソードも「どうサボるかを考えていました」。父親と一緒に走る自主練習は“やらされている感”満載だった。

「負けてばっか、落ちてばっか」

 弱い心から、強い心へ。

「負けてばっか、(Jクラブを)落ちてばっか、いつも悔しい思いばっかをしていました」

 悔しい体験が小川を変えていく。一つひとつの「俺、何やってんだ!」が神社でのダッシュを本気にさせていった。

 高校時代もそうだった。神奈川の強豪・桐光学園では1年生の高校選手権で活躍できず、2年生ではケガに泣いた。悔しい経験を成長につなげ、注目を一身に集めるストライカーに変貌した。悔しい気持ちを振り払おうとする毎日が、「なれるわけがない」サッカー選手になる夢をかなえた。

「周りにも『お前は泥水を飲んできたよな』みたいに言われます。自分は雑草。トレセン(地域の選抜トレーニング)にもまったく引っ掛からなかった選手がこうやってプロになれたわけですから」

 次なる夢は、日の丸をつけて誰もが憧れるあの舞台でプレーすること、に。

「目指さなきゃいけないもの。自分の頑張り次第でつかめると僕は思っています」

 飛躍の手応えをつかんでいたプロ2年目の2017年、左ひざ前十字靭帯断裂及び半月板損傷の大ケガを負った。

【次ページ】 リハビリの成果で大きくなった体。

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