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浅田真央 私のスケート愛(1)
「第2のステージへ」 

text by

浅田真央

浅田真央Mao Asada

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/01/15 08:00

浅田真央 私のスケート愛(1)「第2のステージへ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

浅田真央は、新たなステージでも誰とも違う輝きを放っている。

ソチ五輪での自分を思い出した。

 ネイサン・チェンの演技の時は、4年前のソチ五輪での自分を思い出しましたね。ショートの時は、心が痛かったです。フリーまでの間は時間もなくて、ソチの時は私も気持ちの切り替えをするのが本当に大変だったので、彼もショートが終わった後の夜は辛いだろうな、傷ついているだろうなと思っていました。「真央もできたからできるよ!」って伝えたいくらいでした。フリーでは素晴らしい演技をして本当に良かったです。

 オリンピックをどう捉えるかは人それぞれですが、私にとってオリンピックはやっぱり特別な舞台でした。小さい頃に伊藤みどりさんを見てスケートを始めて、荒川静香さんのトリノでの金メダルだったり、いろんな先輩方の輝く姿を見て、自分もあの舞台に立ちたいと思ってやってきたので。

 だからこそ今回、トリプルアクセルを長洲未来ちゃんが決めたときはすごく嬉しかったです。私にとってトリプルアクセルは武器でもあるし、悩まされるものでした。でも、トリプルアクセルについて語られる際に、みどりさんの次に私の名前が呼ばれて、こうして今回のオリンピックで未来ちゃんが跳んでくれて、受け継がれていくという意味でも本当に良かったと思いました。

女子フィギュアの時代は変わっていく。

 宮原知子ちゃんも坂本花織ちゃんも素晴らしかったです。ふたりとも初めての大舞台であれだけの力を出し切れるってすごいことだと思いました。知子ちゃんは怪我でなかなか前のような練習量ができなかったと思うし、花織ちゃんも個人フリーのあとに少し悔しそうな表情をしていましたよね。でも、ふたりとも積み重ねてきたものを出すことができたと思うし、メダル以上の演技をしたと思います。

 ロシアのふたり、ザギトワ選手とメドベデワ選手は今の世界の女子フィギュア界を引っ張っていっているなと思います。ロシアにはジュニアで4回転を跳ぶ子もいるみたいで、このオリンピックが終わって、また女子フィギュアの時代が変わっていくと思います。

 そんな選手たちを観ていて、私もその中に入りたいとか、そういう思いはありませんね。私はもう過去の選手です。やるべきことをやりきったし、出しきったと思っています。平昌オリンピックでの日本のスケーター達の活躍を観ていて、彼らに「次はあなたたちの世代ですよ」とバトンを渡せたのかな、と思っています。

 今は昔みたいに「強くなりたい」とか、手に入れたいものってないんです。もし簡単にトリプルアクセルが跳べるなら欲しいけど(笑)。ショーでも皆さんにまた見ていただくことができますし。これからはショーで楽しく滑ることによって、皆様に感謝の気持ちを伝えていきたいです。

僕らは本田圭佑を待っている。

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僕らは本田圭佑を待っている。

 

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