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<「Mリーグ」チェアマンインタビュー>
藤田晋「麻雀とスポーツに共通すること」 

text by

熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2018/11/22 11:00

<「Mリーグ」チェアマンインタビュー>藤田晋「麻雀とスポーツに共通すること」<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

麻雀=ギャンブルというイメージの払拭。

――麻雀の可能性を、どのように捉えていますか。

「いいところがたくさんあると思います。まず近年、高齢者の健康維持にいいということで評価されていて、女性の間でも競技者が増えています。もちろん、世代間のコミュニケーションツールとしても優れている。実は2022年北京冬季オリンピックの競技としても議論されているんですよ」

――藤田さんは、その麻雀をスポーツとして楽しんでもらおうと考えてMリーグを立ち上げたわけですが、実際にスポーツ的な要素はあるのでしょうか。

「まず、戦っているMリーガーの表情を見てほしいです。勝った瞬間の歓喜の表情や追いつめられたときの苦悩に満ちた表情、敗れて絶望したときの表情がアスリートとまったく同じですから。また観戦するファンの熱狂ぶりも、スポーツのそれに近いですよ。Mリーグでは試合会場の近くでパブリックビューイングを開催していますが、ホールがファンの歓声や悲鳴に包まれるんです。見ているファンは当たり牌がわかっているので、『なんでそこで降りるんだよ』なんて文句を言う。勝つと褒め、負けると厳しく叩くところなんて、プロ野球のファンを見るかのようです」

――麻雀というとギャンブルのイメージが強いですが、スポーツとして見てもらうことの難しさはありますか。

「従来の麻雀界は、ビジネスとしてはほとんど成り立っていませんでした。麻雀の業界団体はプロレスのように分裂していて、それぞれルールが違い、自分たちが最強だと主張している。みんなが足を引っ張り合っている状態でした」

――なるほど。

「麻雀は野球やサッカーのように、たくさんのお客さんを動員できるわけではないので、広告収入を得なければならない。しかし広告を得るには、イメージが大切です。麻雀=ギャンブルという従来のイメージを引きずったままでは、スポンサーはつきません。そのイメージを変えることが、いちばんの課題でしょう」

――たしかに、Mリーグは発足に当たって「ゼロギャンブル宣言」を行ないました。

「それは大前提です。実はプロ雀士はもう、賭け麻雀に興味がありません。弱い人がいれば勝てますが、弱い人はやめてしまう。そうなると必然的に強い人ばかりの戦いになり、勝ち続けることは不可能です。ですからプロ雀士たちは、スポンサーが集まる機会を切望していました。その期待に応えたのが、このMリーグです。ですから、プロ雀士や団体の期待や熱量は革命的と言えるほど大きいのです」

――イメージアップという点では、選手たちがユニフォームで戦っているところが印象的です。

「従来の麻雀界は将棋に近づこうとしていたこともあり、多くがスーツを着ていました。しかし、スポーツ的ではありません。そこでeスポーツに近づけるために、ユニフォームを導入しました。これは成功だったと思います。男子プロは格好良く見えるし、女子プロは美しく見えますからね」

【次ページ】 心をすり減らしながら戦う姿は尊い。

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