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<防衛戦直前インタビュー>
村田諒太「日本ボクシング界のために、必ずノックアウトで勝つ」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/10/16 11:15

<防衛戦直前インタビュー>村田諒太「日本ボクシング界のために、必ずノックアウトで勝つ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

完全なる敵意をもって臨む一戦。

 今回のように嫌悪に近い感情を抱いてリングに向かうのは過去にもあった。

 その一つが東洋太平洋ミドル級、日本スーパーウエルター級王者の柴田明雄とのプロデビュー戦('13年7月)。無理やり闘志に火をつけるためだった。

「柴田さん、凄くいい人だし、僕に対してもリスペクトをしてくれていました。でもプロデビュー戦の相手が東洋太平洋チャンピオンなんで、僕のほうが切羽詰まっていたんです。『どうして俺の目の前に立とうとするんだ。ブッ倒してやる!』という気持ちになってしまった。(プロ第7戦のダグラス・ダミアオ・)アタイデ(ブラジル)戦もそんな感じでしたね。

 2試合とも相手がどうこうというより、自分に原因がありました。心に余裕がなく、それを怒りという感情に変えて恐怖から目をそむける感じでしたから。でも今回、相手の対応というところからきているので初めての感情だと言えます」

 似て非なる敵意。無理やり怒りの感情に変えてきた過去とは明らかに違うのだ。今回は完全なる敵意だと言っていい。

ブラントの不遜さに見える自信。

 ファイトマネーで「50対50」の条件提示をしてくるなど“ムラタよりオレのほうが上”感が漂う対戦相手のブラントは、WBA2位にランクされる実力者ではある。

 アマ時代に全米アマの「ナショナル・ゴールデン・グローブ」ライトヘビー級で優勝。プロに入ってからも連戦連勝で、WBC米大陸ミドル級、WBA北米ミドル級王座を獲得するなど地位を上げてきた。昨年10月、スーパーミドル級のワールドボクシングスーパーシリーズに出場し、初戦で元世界チャンピオンのユルゲン・ブレーマ―(ドイツ)に0-3判定負け。これがプロキャリアで初の敗戦となった。

 3月の再起戦では初回KO勝ちを収めている。プロ通算23勝16KO1敗、右のボクサーファイタータイプは高度なテクニックとスピードを持ち、捕まえるのは難儀なタイプとも思える。村田に対する不遜な態度は自信の表れと受け取っていいだろう。

【次ページ】 いい選手だけど、おいしい相手。

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