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<世界を知る者が語り合う> 三浦知良×吉田麻也
「最先端のサッカーを見て、世界との差を埋める」

posted2018/09/13 11:00

 
<世界を知る者が語り合う> 三浦知良×吉田麻也「最先端のサッカーを見て、世界との差を埋める」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

text by

一志治夫

一志治夫Haruo Isshi

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photograph by

Asami Enomoto

“キング”と“DFリーダー”が、さらに日本が強くなるためにはUEFAチャンピオンズリーグを視聴することが必要だと説く、その理由とは――。

 ブラジルやイタリアなど世界各地でプレーし、いまなおJリーグでプレーする三浦知良(カズ)。プレミアリーグのセンターバックとして、いままさに世界の真っ只中で戦う吉田麻也。W杯熱さめやらぬ炎天の日、世界における日本のサッカーについて2人が展望した。

 練習の合間をぬって、W杯ロシア大会の日本対コロンビア戦を現地で観戦してきたカズは、世界における日本サッカーの位置をこう俯瞰する。

「僕らの時代は、韓国、中国、北朝鮮、サウジアラビア、イラン、イラクといったアジアの国にどうやって勝つかというところから始まっていました。つまり、その頃の日本の子どもたちは、そういうゲームしか見てないわけです。でも、いまは、他のアジアの国がなかなかグループリーグを突破できない中で、日本は出場した半分はベスト16にたどりついている。W杯に出るのは当たり前で、ヨーロッパや南米のチームに勝ったり、引き分けたり、まあ負けたりもあるにせよ、そんな舞台で日本が戦うことはスタンダードになっている。

 当然、見ている子どもたちの意識は、全然昔と違いますよね。たぶん、いまの子どもたちは、W杯で優勝できるという意識もどこかで持っているんじゃないですか? その意識がすごく大事だと思うんです。僕らのときは、W杯に出るということがマックスでしたからね。技術とか戦術、サッカーを教える大切さもあるけど、子どもたちの意識が潜在的にどう高まっているかが『強さ』にすごく大きく作用してくるのだと思います」

日本サッカーに継承される思い。

 一方、吉田はそんな時代の流れがあり、現在のレベルにつながったのだと考えている。そしてその礎を築いたのは、まさにカズを筆頭にした元代表選手だった、と。

「本当に多くの選手がカズさんから刺激を受け続けてきた。カズさんはパイオニア中のパイオニア。カズさんがやってきたことというのは、その後の僕たちの世代まで引き継がれ、みんなが同じ気持ちで日本のサッカーをよくしたいという思いを持ち、貫いている。そうやって、脈々と代表チームは引き継がれるものなんです。

 たとえば、酒井宏樹はマルセイユで活躍し、成長し、名サイドバックとして認められています。でも、その成長の過程には、やっぱり、内田篤人を超えなければならないというプロセスがあった。僕自身もいまでも(田中マルクス)闘莉王さんと中澤(佑二)さんの残像を追いながらプレーしていますし、代表を引退した選手たちが築いてきたものというのは、形として残っていないとしても、必ず日本代表に蓄積されて、日本サッカーの基盤を築いていると僕は思っています」

 もちろん、代表監督も同様だという。

「ザッケローニさんがいなくなって、アギーレさんがきて、その後ハリルホジッチさんになって、西野(朗)さんに変わってと、端から見たら一貫性がないように感じるかもしれませんけど、それぞれから得た要素というのは、必ず、僕たちのチームに少しずつ加算されているんです」

【次ページ】 麻也が振り返るロシアW杯での2敗。

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