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<Have a Dream 夢追い人の挑戦>
卓球・吉村真晴の情熱が変わらない理由。

posted2018/08/30 11:00

 
<Have a Dream 夢追い人の挑戦>卓球・吉村真晴の情熱が変わらない理由。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph by

Yuki Suenaga

夢に向かって努力を重ねるアスリートに迫る連載。
第1回は日本男子卓球界を牽引する一人が登場。

 2016年、大舞台での団体戦で誰もが記憶に刻む銀メダルを手にし、昨年は世界選手権混合ダブルスで金メダル。1つ1つ、大きな成果をあげてきたことが象徴するように、吉村真晴は、卓球日本男子の軸の1人として活躍してきた。

 卓球を始めたのは幼稚園に通っていた頃。選手だった父の姿を見て「やってみたい」と思った。小学生になると、全国大会で優勝を果たす。すると「父も気合が入ったんでしょう(笑)」、厳しい練習の日々が続いた。

「辛かった」と言う。でもやめなかった。

「勝つ喜びを知っていましたから。おかげで強さが身についたのだと思います」

 その後、中学時代に伸び悩む。そのとき、転機が訪れた。

「中学3年の夏、最初に進んだ中学校の監督さんが、山口県の学校に移ることになったのですね。そのとき、『一緒についてきてくれないか。エースでやってほしい』と言われたんです」

 監督と道をともにした吉村は、「応えたい」という思いで練習に打ち込むと、高校3年のときジュニアのナショナルチーム入りを果たし、アジアジュニア選手権で日本選手として初優勝、全日本選手権では第一人者、水谷隼を破り初優勝を飾った。

「そのとき、『卓球で生きてやる』と気持ちが固まりました」

「ワンチャンスをいかす力がある」

 以降、小さな波はあっても、大きく捉えれば、順調に歩みを進めてきた。そのキャリアを振り返りつつ、吉村は言う。

「そのときそのときで巡り会いたい人に出会えるラッキーがあったと思うし、ワンチャンスをいかす力がある方なんじゃないかと思います」

 その真意を、こう説明する。

「常に全力で何事もやっていくのが大切だと感じています。スポーツ、遊び、勉強、全力でやること。チャンスはいつ転がってくるか分からないものだと思うんです。でも全力でやることをおろそかにしていると、目の前のチャンスに気づかないこともあります。目の前のことに全力を尽くしていれば、転がってきたチャンスをものにできると思っています」

 大きな目標へと思いを馳せるより、まずは「今」を大切にして、夢をかなえてきたと思う。

【次ページ】 『吉村真晴』というブランド確立を。

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