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ロンジンから世界のジュニアたちへ。
「トップレベルの経験」という贈り物。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byLONGINES

posted2018/04/19 11:00

ロンジンから世界のジュニアたちへ。「トップレベルの経験」という贈り物。<Number Web> photograph by LONGINES

コンディションも、難易度も世界クラス。

 5回目を迎えたLFSCの開催地には、今季のFISアルペンスキー・ワールドカップ最終戦に合わせて、スウェーデンが誇る同国スキー界の聖地オーレが選ばれた。

 オーレ中心街広場での公開ドローに始まり、インスペクション(コース下見)や各種セレモニーを通して、ジュニア選手たちはワールドカップや世界選手権というトップレベルの世界を体験していく。

 コース設定やロンジンによるリアルタイム計時表示、はたまた巨大テレビジョンに観戦エリアを盛り上げる場内MCまで、LFSCの大会フォーマットが完全にFISワールドカップのそれを踏襲していることも知ったとき、15歳の心がどれだけ高揚したかは想像に難くない。

 雲一つない快晴の下、ABBAのポップナンバーに合わせて、彼らのスタート時刻が近づいていた。

 FIS公認「大回転」レースの形を取るLFSCは、滑走2本 の合計タイムで順位を争う。

 ワールドカップ仕様に設定されたコースの標高差は347m。競技開始直前、標高743mにあるスタート地点の気温はマイナス12℃だった。

 日本代表の桑原は、前日の出走抽選で4番目のスタートを引き当てていた。

「初めに滑るのは雪が軽くて不安定なこともあるので、3、4番手がベスト」と望んでいた通りだったが、どうもスピードに乗り切れていない感があり、1本目を終えた全体順位はトップから2秒離れた5位だった。

 ゴール地点でタイムを確認した直後、すぐにコーチとビデオでフォームをチェックする。すぐに始まる2本目の前に課題を見つけ出し、修正しなくてはならない。

 すでに2本目を前に3カ国の選手が失格扱いになっていた。コースのコンディションは最高だが、その分難易度も世界クラスなのだ。

【次ページ】 日本人歴代最高順位でも味わった悔しさ。

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