サムライブルーの原材料BACK NUMBER
キャプテン+10番は海外以上の挑戦。
横浜FM・齋藤学が担う「俊輔の後」。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKyodo News
posted2017/02/23 17:00
昨年、齋藤学は2度目のブレイクを果たし、初のベストイレブンに名前を連ねた。待望論が根強い代表復帰も視野に入れている。
俊輔が抜けた穴は大きいが、希望も大きい。
「来年のW杯を考えても、やっぱり欧州で挑戦したいという気持ちはあります。ただこのタイミングで行けなかったことで、今のマリノスでまだやるべきことがあるんじゃないかと考えました。マリノスの10番を背負う。これって欧州でやることと同じぐらいの大きな挑戦だと思うんですよ。だって俊さんの後ですからね。
背負ってつぶれてもいいぐらいの気持ちですよ。でも絶対につぶれないだけの自信はあります。仲間のことを考えて、仲間を信頼して、責任感と覚悟を強く持って勝っていきたい。やれるチームだと僕は思っていますから」
中村が抜けた穴は大きい。
だが横浜一筋で歩んできた齋藤の「10番」は、チームに新たな希望を吹き込んでいる。競争に燃える若手の熱量に加えて、昨季セルビアリーグでリーグ2位の20ゴールを挙げたウーゴ・ヴィエイラやバルセロナの育成組織出身のダビド・バブンスキーを獲得するなど楽しみな部分も多い。25日の開幕戦はホームで浦和レッズを迎える。齋藤を中心にしたマリノスの新しい攻撃が、どう芽吹くのか。
この日、横浜にも春一番が吹いた。
「春十番」が吹きわたれば、横浜F・マリノスにも春が訪れるに違いない。