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[MLB時代の同僚投手が語る]岡島秀樹「挑戦するからには勝たないと」

2021/11/05
松坂15勝、岡島27ホールドとフル稼働のシーズン後、WSも揃って活躍した充実の1年目

 2006年のオフ、僕がボストン・レッドソックスと契約を交わすために渡米したとき、球団のスタッフから「ポスティングで交渉権を獲得した松坂に向けて、メッセージビデオを作るから協力してくれないか」と依頼されたんです。松坂君との交渉が長引いていたからでしょうか。僕としても喜んで協力し、「レッドソックスで一緒に戦いましょう」とメッセージをおくったんです。

 そして松坂君の契約がまとまり、初めて会ったのはキャンプ地のフロリダ州フォートマイヤーズです。僕は'06年に1年だけ日本ハムでプレーしましたが、基本的にセパに分かれていたので、交流がなかったんです。「岡島さん、ビデオレター見ましたよ」と声を掛けてくれて、そこからふたりのレッドソックスの1年目がスタートしました。

 キャンプで面食らったのが、朝がとにかく早いこと。メジャーって、のんびりしたイメージありませんか? とんでもない。朝7時からウェイトトレーニングがあって、そこから本格的な練習になる。日本の時間感覚とは違ったので、練習後のトレーニングに変えてもらいました。松坂君と一緒に英語のレッスンも受けた記憶がありますよ。

 メジャーでの1年目は、とにかく適応力が求められます。僕の場合はボールが滑りやすく、乾燥している気候でカーブをどれくらい操れるかが生命線だと思っていました。ところが、日本ほど曲がらない。これでは厳しいということで、エージェントの紹介で、ツインズで活躍していたヨハン・サンタナにチェンジアップを教えてもらい、習得に必死でした。開幕前、捕手のジェイソン・バリテックが「オープン戦では使わず、4月まで隠しておこう」と太鼓判を押してくれたのが自信になりました。

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photograph by AFLO

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