J1リーグは現在30節を終了。残りは4試合になった。優勝争いは稀に見る大混戦だ。勝点6差以内に5チームがひしめいている。それはそれで非常に興味深く見えるが、接戦の原因を考えると、喜んでばかりはいられない。
スーパーチーム不在。模範的なチーム不在。悪く言えばドングリの背比べだ。優勝争いをしている上位チームの勝ち点は決して高くない。これは昨シーズンから引き続いている傾向だ。トップの勝点は、通常のシーズンより10点ぐらい低い。
優勝争いのハードルが低い。
昨季4位から一転、J2降格。大分の快進撃は何だったのか?
昨季は、これに乗じて意外なチームが優勝争いに加わっていた。
大分トリニータだ。最終成績は4位。J1リーグのなかでも後ろから数えて1番か2番の低予算チームが演じた、まさに痛快劇だった。
溝畑宏社長は、いろんなメディアに時代の寵児として取り上げられた。
まさかそのわずか1年後、サポーターから辞めろコールを浴びるとは。30節を消化した時点で、J2降格が確定するとは、社長本人も、社長を持ち上げたメディアさえ予想していなかったに違いない。
「大分はどうしちゃったの?」
狐につままれた状態でいる一般のファンは少なくないはずだ。
分不相応の拡大路線が凋落の第一歩だったのでは。
誰かキチンと説明してくださいよ。とくに昨シーズン、社長を持ち上げた人には、その落とし前を付けてくださいよと声を大にして言いたくなるのだけれど、誰も何も言いそうもないので、あえて僕がひとこと言わせてもらうことにする。
社長の発言のなかで気になったのは「目標は日本一」。「大分という地方都市から世界を目指す」と述べていたことだ。つまり拡大路線を歩もうとしたことに僕は疑問を感じずにはいられなかった。
こう言っては失礼だが、大分市は県庁所在地ではあるものの、人口50万人弱の地方都市だ。そこで収めた「全国4位」の成績は“あっぱれ”ものなのだけれど、それ以上を望むのは、その「サイズ」を考えると客観的に無理がある。全国10位でも上々。J1にとどまるだけでも大合格。目標は全国15位が妥当な線になる。
一歩でも上へ。より上の順位を目指して。これは、競技スポーツにとって欠かせないモチベーションになる。「負けてもオッケー」と言ってしまえば、勝ち負けを競う資格はない。だが、サッカーチームはクラブだ。消滅してしまっては身も蓋もない。存続することが、勝ち負け以上に重要なテーマになる。
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筆者プロフィール
杉山茂樹
1959年7月8日生まれ。静岡県出身。大学卒業後、フリーのライターとして「Sports Graphic Number」やサッカー専門誌などで執筆するほか、解説者としても活躍中。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「ワールドカップが夢だった。」(ダイヤモンド社)、「サッカー世界基準100」(実業之日本)、「4-2-3-1」(光文社新書)、「日
本サッカー偏差値52 」(じっぴコンパクト)などがある。
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