ベンフィカ好調の理由はルイ・コスタにあり――。
先日、取材で訪れたリスボンでこんな声を耳にした。
2008年に現役引退した元ポルトガル代表MFは現在、古巣ベンフィカのスポーツ・ディレクターを務めている。
エンジ色のタイが映えるスーツ姿。憎めない笑顔は現役時代と変わらない。
「この仕事には大きな責任が伴う。技術の高い選手の揃ったコンパクトなチームを作りたい」
アイマール獲得に表れるルイ・コスタの慧眼。
引退後、すぐに同職に就任すると、ルイ・コスタは自らの色を出していく。
なかでもパブロ・アイマールの獲得は彼の眼力と熱意が表れたものだった。
“ピークは過ぎた”といわれ、サラゴサでくすぶっていたアイマールの獲得にはクラブ内で反対意見も多かった。しかし、ルイ・コスタは「アイマールは現代サッカーに残る最後の10番だ」と反対を撥ねのけ、クラブのビエイラ会長を説得。650万ユーロの移籍金の捻出に成功している。
一方で、移籍を決めかねていたアイマールには直筆の手紙を送り口説いたという。その手紙には、チームの中心にアイマールを置く攻撃的サッカーで国内外でタイトルを目指すこと、そして自らの背番号10を彼に譲り渡すつもりであることが綴られていた。
アイマールは「ルイ・コスタの存在は大きかった。ベンフィカに来てほしいという熱意が響いたし、今いいプレーができているのも彼のおかげ」と語っている。
アイマールだけではなく、選手からの人望は厚い。今夏ベンフィカにやってきたハビエル・サビオラも「ルイ・コスタの存在が移籍の決め手だった」と話す。
得点力は向上。ベンフィカがルイ・コスタ色に染まる。
現代サッカーにおいては消えつつあるトップ下のポジションを置くジョルジュ・ジェスス監督を起用したのも、ルイ・コスタ色が出ていると言える。アイマールが同ポジションを謳歌する姿を、かつての10番はどう見ているのだろうか。
今季のベンフィカは開幕から1試合平均で3点以上を決めるなど、彼が進める攻撃的チームの構築は実現しつつある。
今ではベンフィカの将来の会長候補とも言われるルイ・コスタ。仕事場はピッチからクラブ事務所のデスクへと変わっても、その影響力は昔のままだ。
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2010年2月9日 
















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