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大相撲の生き残りを懸け、
全協会員が一丸となれ!
~再生へ向け、正解なき険しい道~ 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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photograph byShigeru Tanaka

posted2011/03/11 06:00

大相撲の生き残りを懸け、全協会員が一丸となれ!~再生へ向け、正解なき険しい道~<Number Web> photograph by Shigeru Tanaka

放駒理事長(写真中)は「相撲の歴史に最大の汚点を残す結果だ」と春場所開催を中止した

 大相撲が今、存続の危機に瀕している。

 平成19年6月の力士暴行死事件に端を発し、平成20年8月の大麻所持問題、平成22年2月の暴行騒ぎによる横綱引退、5月の維持員席暴力団観戦問題、6月の野球賭博問題と、これでもかといわんばかりに繰り返された角界の不祥事。放駒新理事長の下、ようやく自力再生の道を歩み始めたかに見えた相撲界に2月2日激震が走った。

 前日には力士会と協会執行部が意見交換会を実施し、本格再生に歩み始めた矢先の時限爆弾爆発。あろうことか幕内や十両力士や現役親方ら13人が、大がかりな八百長相撲を行なっていたと見られる携帯メールの記録が明らかになった。以前の不祥事とは異なる土俵上での相撲の本質に関わる大問題だ。

 相撲協会は、今までも無気力相撲には厳しい目を向けてきたが、八百長相撲の存在は頑なに全面否定し、強硬姿勢をとり続けてきた。近年の週刊誌の八百長報道に対しても裁判に訴え、証拠不十分で勝訴し、賠償金まで得た。携帯メールという確たる物証の出た今、灰色決着による裁判での勝訴が、逆に相撲界に計り知れない重さで跳ね返ってきた。

伝統文化と近代競技スポーツの融合をいかに図るか。

 実態解明に向け、協会は同日、特別調査委員会を設置した。事情聴取に対し、竹縄親方、千代白鵬、恵那司が早々に八百長への関与を認めた。これ以上の言い逃れは無意味と悟ったのだろうが、相撲界の最後の砦が崩れ去った瞬間である。

 これを受け、協会は6日の臨時理事会で、春場所の中止を決定した。本場所中止は65年ぶり2度目で、不祥事では初めて。また、再開についても、放駒理事長は「うみを完全に出し切るまでは、土俵上で相撲をお見せすることは出来ない」とし、期限を設けなかった。問題が問題だけに、全容解明はいばらの道。長期化が予想されるが、協会には血を流す覚悟で過去も含めて清算し、是非とも出直してもらいたい。

 伝統文化と近代競技スポーツの融合を図りつつ、如何にして大相撲が生き残るか。その着地点は曖昧であり、恐らく正解はないだろう。しかし、時代に合った相撲協会の抜本的な組織改革は不可欠である。今こそ全協会員が一丸となって知恵を振り絞るとき。私事ではあるが、17年に及ぶ本誌の相撲コラム執筆の最終回としては、甚だ残念である。

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