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「最初に勝つ日本人騎手は『武豊』でなくては」ドウデュースで日本ダービー制覇、松島正昭オーナーが“武豊と凱旋門賞”にこだわる理由

posted2022/06/25 17:00

 
「最初に勝つ日本人騎手は『武豊』でなくては」ドウデュースで日本ダービー制覇、松島正昭オーナーが“武豊と凱旋門賞”にこだわる理由<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

ドウデュースで日本ダービーを制した株式会社キーファーズの松島正昭氏。武豊騎手への思いなどを聞いた

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

今年の日本ダービーを制したドウデュース。武豊騎手とともに悲願を成し遂げた株式会社キーファーズの松島正昭代表に、武騎手への尊敬と信頼、凱旋門賞制覇への思いなどについて聞いた。(全2回の1回目/後編へ続く)

 今年の競馬の祭典、第89回日本ダービーを制したのは、武豊が騎乗したドウデュース(牡3歳、父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)だった。勝ちタイムの2分21秒9は、従来の記録をコンマ6秒も短縮するダービーレコード。武にとっては、自身の最多勝記録を更新するダービー6勝目となるなど、話題の多いダービーだった。

 ドウデュースを所有するのは株式会社キーファーズ。代表の松島正昭氏は、以前から「武騎手で凱旋門賞を勝つことが夢」と公言していた。その夢を叶えるべく、この秋、ドウデュースは第101回凱旋門賞に出走を予定している。

「本当に、こんなことがあるんですね」

 自身が所有するダービー馬で、大ファンであり、大切な友人でもある武とともに世界最高峰の舞台に上がろうとしている松島氏は、そう言って笑顔を見せた――。

京都競馬場の貴賓室で競馬にハマった

 松島氏と競馬との出会いは、今から52年前、中学1年生だった1970年にまで遡る。

「その年の秋、父に京都競馬場に連れて行ってもらったんですよ。メインはエリザベス女王杯の前身にあたるビクトリアカップでした。芝コースも馬も綺麗だし、最後の直線を馬が駆け抜ける音がすごい迫力で、興奮しました。それで競馬が大好きになったんです」

 以来、スポーツ新聞で気になる馬の動向を追ったり、テレビで競馬中継を見たりするようになった。特に好きだったのは、同年の菊花賞馬ダテテンリュウだったという。

 しかし、初めてビクトリアカップを見たあとは、競馬場に行くことがなくなった。就職して忙しくなると、さらに競馬との距離がひろがりかけたのだが、20代後半のとき、また京都競馬場を訪ねる機会を得た。

「27、8歳のときでした。当時、GIの副賞として、うちの京都マツダ(現マツシマホールディングス)から車を提供していたんです。スポンサーですから、父と一緒に京都競馬場の貴賓室のようなところでレースを見ました。それから結構ハマりだし、また馬券を買うようになりました(笑)。ちょうど、ライスシャワーやミホノブルボンが活躍していたころです」

【次ページ】 「僕の馬じゃなくても、武君が凱旋門賞を勝つことが夢」

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