松本人志の予想「M-1。波乱やな」→4年目ももに「3年後優勝顔」 M-1で王道しゃべくり漫才は“逆襲”できるのか、注目は金属バット？

　決勝進出の9組が決まったあと、松本人志が「M-1。なかなかの波乱やな。」と呟いた2021年のM-1グランプリ。

　初めて決勝へと駒を進めたコンビが5組。事前報道でも「ダークホースだらけ」などと言われ、例年以上に展開が読めず、とんでもないことが起きそうな予感もあった。

　だが、新顔、曲者が多かったがゆえなのか……。

「この人たち、何するんだろう？」といった疑問符が浮かび、会場の空気が熱し切らないまま、中盤まで進んでしまったような印象だ。

　後半の出番なら爆発していてもおかしくないモグライダーが1番手になったことや、かき回し役として大暴れが期待されたランジャタイが――彼ら自身は見事なまでに普段どおりにやり抜いたが――2番手と出番が早かったことも、理由のひとつ。

　準決勝で爆笑をさらったゆにばーすは、拍手の煽りから、はらの「悩みごとがあるんだ」という落差でツカんだものの、やや硬さが感じられ、笑いの総量が伸びなかった（それにしても、審査員の採点は厳しかったと思うが）。

　4番手のハライチも、これまでの彼らとは大きく異なり、敗者復活戦とはまるで違うネタを披露。会場がいまいちハネず、上沼恵美子をのぞいて審査員の点数も高くなかったのは、その新しさにまず驚き、それを受け入れるのに時間が掛かってしまったからか。

　ワードセンスが光る真空ジェシカも、準決勝ほどには爆発しない。

　この流れ、この空気を変えるのは誰なのか――。

　困難なミッションを成し遂げたのが、オズワルドだった。

昨年は松本人志、オール巨人の意見が割れた

　彼らの持ち味は「静」のしゃべくり漫才。ちょっとシュールで、面白さがじわじわ浸透してくるのが特徴だ。

　前年大会では、松本人志から「もう少し静かな漫才が見たかった」、オール巨人から「最初から大きい声で突っ込んだほうが良かったのでは」と、正反対の助言を受けて困惑していた。

ファーストラウンドで最高点を残したオズワルド（吉本興業）。畠中悠（左）、伊藤俊介　©︎M-1グランプリ事務局

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　1年を経た今大会では、伊藤俊介のツッコミのフレーズや強弱に変化をつけることで、難しい注文に応えてみせた。1本目のネタの（「友達」）のアイデアはもちろん抜群で、1位でファイナルステージに進出したのも納得だった。

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