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〈J1とプレミアリーグを比較してみた〉降格回避どころか上位も視野… アビスパとブレントフォードに見る“好調な昇格組の共通点”とは

posted2021/09/09 17:00

 
〈J1とプレミアリーグを比較してみた〉降格回避どころか上位も視野… アビスパとブレントフォードに見る“好調な昇格組の共通点”とは<Number Web> photograph by Getty Images

アビスパ福岡とブレントフォード。J1とプレミア昇格組というくらいの共通点と思いきや、調べてみると興味深いデータは数多く…

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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 今、2つの昇格クラブが熱い。

 8月に開幕したプレミアリーグでは、実に74年ぶりにトップカテゴリー復帰を果たしたブレントフォードが初戦でアーセナルを破り、3試合を終えて1勝2分の無敗。開幕前に彼らの特集記事を執筆したが、正直ここまでの好スタートを切ってくるとは予想していなかった。

川崎に土をつけた福岡とブレントフォードの共通点は?

 そしてまもなく佳境を迎えるJ1リーグでは、11試合を残した現時点でアビスパ福岡が9位につける。開幕から25試合、昨季から数えて30試合続いた川崎フロンターレのリーグ戦無敗記録を止めたのは、この福岡だ。

 ブレントフォードの愛称は「Bees」、アビスパ福岡はその名の通り「Avispa」。ともに蜂をクラブのアイコンとする昇格組が、異なる2つのリーグで暴れているのだ。

 なにも「昇格組」「蜂」という共通点だけでこの2クラブを取り上げるわけではない。躍進に至った彼らのスタイルにも似通っている点がある。

 福岡は4-4-2、ブレントフォードは3-5-2あるいは3-4-1-2をベースとしたシステム。彼らのフットボールの根幹にあるものは「ハードワーク」だ。

 長谷部茂利、トーマス・フランク両監督が選手に求めるものは、とりわけ守備面においてのアグレッシブさである。トップクラブとの間にある戦力差を埋めるにはハイプレスはもちろん、球際の強度やプレスバック、引いた守備では身を挺してゴールを守ることが必要なのだ。

 この姿勢がしっかりと結果に繋がっている。

守備が崩壊した試合が非常に少ない

 福岡が今季のリーグ戦で3失点を喫したのは川崎F戦、横浜F・マリノス戦の2試合だけだ。さらに3点差以上の敗戦がここまで1つもない。同じ昇格組の徳島ヴォルティスと比較しても、守備が崩壊した試合が少ないことは驚きである。

 2部にいた昨季、守備面に課題があったブレントフォードもだ。

【次ページ】 ショートカウンターのためには「働き蜂」の存在が必須

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