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岩波拓也の覚悟は浦和を変えるか。
「期待に応える自負はあります」

posted2020/07/30 11:40

 
岩波拓也の覚悟は浦和を変えるか。「期待に応える自負はあります」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

エヴェルトンのハッスルプレー後、笑顔で手を貸しつつ声をかける岩波拓也。リーダーになりうる資質を身につけつつある。

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佐藤亮太

佐藤亮太Ryota Sato

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J.LEAGUE

 ここまで思いが強い選手とは思わなかった。

 昨年9月8日、ルヴァンカップ準々決勝・鹿島アントラーズとの第2戦後のミックスゾーンでのことだった。

 第1戦、浦和レッズはホームながら、前半だけで不甲斐なく3失点を喫し、2-3で敗れていた。第2戦、攻めに出た浦和は28分、MFエヴェルトンの得点で先制したものの、試合巧者の鹿島相手に最終的には2-2のドロー。ベスト8で敗退した。
 
 このゲームで先発フル出場した浦和DF岩波拓也はいつものように試合を淡々と振り返ったが、その言葉は厳しく、内なる怒りを秘めているように感じた。

「今日メンバーに入っていない選手や、1戦目に出ていない選手の中にも試合に出たい選手はいる。試合に出ている選手があのようなプレーをしてはいけない。(第2戦は)2点は返せたが、これまではこういう状況を跳ね返してきた。

 チーム全体で諦めない姿勢、相手に“こいつら、まだ勝ちにきているな”という姿勢を見せられたかを考えると、そうではなかった。例えば交代のとき、歩いている選手がいたり……どんなクラブでも負けている状況なら走っていかなければ。そうしたことをなくさないと」

臆さず現状に意見した意図とは。

 岩波は「レッズは仲良しチームじゃない」とも話していた。当時、ヴィッセル神戸から加入して2年目。その時点で主軸となっていたものの、30代の選手が多いなかで、こうした厳しい意見は言いづらいはず。しかし岩波が臆することなく現状に意見したことに驚かされた。

 なぜ当時、このような発言をしたのか? 改めて岩波に聞いてみると、このように話してくれた。

「自分が試合に出られなかった時期があった分、出ている選手の姿勢を見てしまうと、なおさら悔しかったんです。(第1戦ではベンチ外になり)チームが負けるなかでも出られないことをぐっと我慢して、気持ちを押し殺していた。そんな自分が恥ずかしいと感じたんです」

【次ページ】 高橋峻希が語る岩波の性格。

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