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筒香嘉智なき後のDeNAを牽引するか。
柴田竜拓が学んだ「準備」と野球愛。

posted2019/10/27 11:40

 
筒香嘉智なき後のDeNAを牽引するか。柴田竜拓が学んだ「準備」と野球愛。<Number Web> photograph by KYODO

守備力が売りの柴田(右)が打力も身に付け、今季は二塁で出場機会を増やした。

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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KYODO

 雨降る、10月7日の横浜スタジアム。

 横浜DeNAベイスターズの日本一への道が途絶え、チームを明るく照らしつづけてきた“巨星”が消えた夜、柴田竜拓は人目もはばからずグラウンドで涙を流した――。

 あれから2週間後、柴田はファーム施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」で秋季練習に取り組んでいた。汗をかき真摯な表情で野球に向き合う姿は、いつ何時も変わらない。守備の要としてスタメン、代打と奔走した4年目の今シーズン、柴田にとってどんな1年間だったかを尋ねてみた。

「いいことも悪いこともありましたが、今シーズンは自分で“新たな決断”をしたんです。ここに関しては来年につながると思います」

 新たな決断、と柴田は強調した。

夏場以降に成績が急上昇した理由。

 今季の柴田は111試合に出場し打率.256をマークし、昨シーズンの打率.219とくらべ成長のあとを窺わせた。

 特筆すべきは、新たな決断をしたとおぼしき夏場以降の成績だ。8月は打率.395、OPS.992、9月は打率.355、OPS.965と格段の数字を残している。バットを寝かせる打撃フォームにし、早いカウントから積極的に打っていく姿が印象的であったが、一体なにが起こっていたのだろうか。

「以前よりもデータをしっかりと参考にするようにしたんです。もちろん今までもデータは見ていましたが、漠然とバッティングを良くしないと、という感じでやっていたんです。今季はデータにより自分の弱点はもちろん強い部分もより明確に理解することができ、深いアプローチをすることができました」

【次ページ】 データの扱いは難しい。

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