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バスケ米国代表ピアスACが明かした、
W杯日本戦で警戒した4つのポイント。

posted2019/09/15 09:00

 
バスケ米国代表ピアスACが明かした、W杯日本戦で警戒した4つのポイント。<Number Web> photograph by Getty Images

アメリカ代表ポポビッチHC(右)と話し込むピアスAC。今回のW杯では日本戦のスカウティングを担当した。

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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Getty Images

 FIBAワールドカップ1次ラウンドの日本対アメリカ戦の2日前、アメリカ代表の広報担当のクレッグに、アシスタントコーチのロイド・ピアス(NBAのアトランタ・ホークスHC)に話を聞きたいとリクエストした。

 アメリカ代表は、今回、ワールドカップ予選のヘッドコーチで、今大会中スカウティング責任者を務めるジェフ・バンガンディを筆頭として、対戦相手のスカウティングを入念に行っている。ワールドカップ予選の試合、直前の強化試合、そして大会が始まってからの試合を映像や現場で見て、個々の選手やチームを研究してきた。スカウティング部門のスタッフに加え、アシスタントコーチがそれぞれ担当チームを持ち、スカウティングに加わっていた。ピアスACは日本のスカウティング担当だった。

 当然、対戦前に深い内容までは明かさないとわかっていたが、それでも、日本チームの印象などを聞きたかった。NBAの試合では、コーチに対戦前に相手チームについての話を聞くことはよくあること。大抵の場合、差しさわりない範囲で話してくれる。

ポップが許すわけがない。

 しかし、いつもは取材に対して協力的なクレッグが珍しく「何の話を聞きたいんだ?」と確認してきた。「日本代表の印象について、日本のスカウティングも担当しているピアスコーチに話を聞きたい」と伝えると、「それなら無理だ。ポップ(グレッグ・ポポビッチHC)がその取材を許すわけがない」と却下された。

 正直言って、アメリカと日本の実力差は、アメリカがスカウティング・レポートの内容をすべて公開したとしても埋められないぐらい開いている。それでも、ワールドカップに出てきているチームである以上は、上位チームと同じぐらい真剣にスカウティングし、対策を講じ、その対策のヒントになるようなことを試合前に明かしたくはないということらしい。アメリカの本気度が伝わってきた。

【次ページ】 日本を軽視するわけにはいかない。

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