ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER

高山善廣と鈴木みのるの深く固い絆。
16年前の「なんで受け身とるの?」

posted2019/09/01 20:00

 
高山善廣と鈴木みのるの深く固い絆。16年前の「なんで受け身とるの?」<Number Web> photograph by Yukio Hiraku/AFLO

鈴木みのるがプロレス復帰した2003年当時、アドバイスを送っていたという高山善廣。現在も懸命にリハビリを続けている。

text by

堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

PROFILE

photograph by

Yukio Hiraku/AFLO

 試合中の事故により、頚髄完全損傷の重傷を負いリハビリを続けている“帝王”高山善廣の支援大会『TAKAYAMANIA EMPIRE 2』が、8月26日に後楽園ホールで行なわれた。

 プロレス界において“8.26”と言えば、今からちょうど40年前、日本武道館に新日本プロレス、全日本プロレス、国際プロレスの3団体が集結し『プロレス夢のオールスター戦』を行なった日。根っからの“プロレス少年”である高山は、自分の名が冠された大会が、その“8.26”に開催されることを、おおいによろこんだという。

 当日のラインナップも、“8.26”にふさわしい、まさにオールスター戦級のメンバー、カードが出揃った。

最後は鈴木と丸藤のチョップ合戦。

“邪道”大仁田厚と“猪木イズム最後の継承者”藤田和之が6人タッグデスマッチで対戦し、その大仁田の試合後、前田日明が武藤敬司とトークバトルを行うなど、この大会以外では、まず実現不可能なことだろう。

 そしてメインイベントは、“神様”カール・ゴッチの弟子である鈴木みのるが、“人間風車”ビル・ロビンソンの弟子である鈴木秀樹とタッグを組む“現代版ゴッチ&ロビンソン”が、丸藤正道&田中将斗と対戦するという、“プロレス少年”高山が考えた、夢のタッグマッチ。

 この一戦は4人が4人とも持ち味を発揮する好試合となり、最後は鈴木と丸藤という、高山ととくに関係が深い2人がすさまじいチョップ合戦を繰り広げて、あっという間の30分時間切れ引き分け。このメインを含め、全試合が高山に元気と勇気を届けたい想いがこもったような闘いだった。

【次ページ】 “鈴木みのる”ではなく“鈴木実”として。

1 2 3 NEXT
鈴木みのる
高山善廣
新日本プロレス
プロレスリング・ノア

プロレスの前後の記事

ページトップ