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名古新太郎に匂う「鹿島の系譜」。
小笠原満男、柴崎岳とも違う特性。

posted2019/08/07 07:00

 
名古新太郎に匂う「鹿島の系譜」。小笠原満男、柴崎岳とも違う特性。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

湘南戦にフル出場したMF名古新太郎。ここ3試合は同い年の三竿健斗と中盤でコンビを組んでいる。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 強いチームは次から次へと面白い選手が出てくるものだ。

 この夏、鹿島は主力の安部裕葵、鈴木優磨、安西幸輝、金森健志らが移籍した。優勝争いをしている中、これは戦力的に相当のダメージだなと思っていた。

 ところが試合を観ているとそうは感じさせないところが鹿島の凄さだ。

 8月3日に行われたJ1第21節湘南戦は最後に失点し、敗れたはしたが今後、可能性を感じさせる選手がひょっこり登場していた。

静岡学園で鍛えた技術とアイデア。

 名古新太郎(なご・しんたろう)は、パンチのあるいい選手だ。

 見ていて驚いたのは、止まらない運動量と攻守の切り替えの早さだ。

 ボールへのアプローチが非常に早く、小さいなりに遠慮なくガッツリ相手に当たり、ボールを奪いに行く。その激しさはこの日対戦した湘南の齊藤未月とも重なるところがあった。

 さらに、守備から攻撃へのトランジションが非常に素早い。奪ってから自ら積極的に攻撃に絡むのだが、静岡学園高校出身で技術とアイデアに自信を持っているのだろう。味方にパスを出して終わらず、前に出てもう一度受けて、さらに仕掛けていく。そうしてチャンスメイクする様は見ていて小気味いい。

 しかも、運動量が落ちない。この暑さの中、後半になると腰を折る選手が多い中、平然とスプリントを繰り返す。エンジンが相当にいいようだ。

「走攻守、全部やれる選手が目標なんで」

 なるほど、目指すスケールは大きい。

「運動量があってクレバーな選手」と永木亮太も高く評価している。

【次ページ】 プロを強く意識した大学時代。

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