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斎藤佑樹が語った佐々木朗希。
「大事なのは球数よりも登板間隔」

posted2019/07/27 11:45

 
斎藤佑樹が語った佐々木朗希。「大事なのは球数よりも登板間隔」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

佐々木は7月21日の4回戦で194球を投げ、中2日の準決勝で129球。連投となる決勝は登板しなかった。

text by

田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

「佐々木くんの腕の振り、素晴らしいですよね」

 北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹がかつて、大船渡高校の佐々木朗希の映像を見ながら、こう話していました。

「特に肘の使い方と、手首の位置。“怪我をしないような位置”から投げられていると思います。自分で意識しているのか、それとも誰かに教えてもらっているのか……。高校時代にこれができれば、怪我のリスクはかなり低くなると思いますよ。あとは、スライダー系やシュート系のボールを極力、減らせるといいですね」

 13年前の、2006年の夏。「ハンカチ王子」として一世を風靡することになる18歳の斎藤は、右腕に不安を抱えた状態で甲子園入りしていました。肘と手首にひねりを加えるスライダー系のボールを多投したことで、炎症を起こしていたのです。

“縦振り”で投げられる球種だけなら……。

「あの夏は、西東京大会が終わってから甲子園までの期間が短く、身体を回復する時間がありませんでした。西東京大会の決勝でスライダーを多投して、手首と腕の炎症が酷かったんです。痛みを抱えたまま、甲子園の初戦を投げたのを今でも覚えています。真っすぐやフォークといった、腕を“縦振り”で投げられる球種だけを使っていればそこまで痛くならなかったかもしれません」

 そこで斎藤は甲子園の序盤、ストレートを主体にすることで右腕への負担を軽減していました。佐々木投手について「スライダー系やシュート系のボールを減らせるといい」と言う理由は、そこにありました。

 斎藤は駒大苫小牧との決勝戦、引き分け再試合を投げ切って、1大会で投じた球数は歴代最多の948球。「自分でも信じられないくらいの球数を投げた」と言います。

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