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1週間で3人が海外移籍した鹿島。
内田篤人「それでもタイトルを狙う」

posted2019/07/16 17:30

 
1週間で3人が海外移籍した鹿島。内田篤人「それでもタイトルを狙う」<Number Web> photograph by Getty Images

内田篤人もシャルケで飛躍したフットボーラーである。だからこそ若き選手たちの決断を尊重している。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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Getty Images

 1週間あまりで、鹿島アントラーズに所属した3選手の欧州移籍が決まった。

 7月9日、安西幸輝(24歳)がポルトガルのポルティモネンセへ。12日、安部裕葵(20歳)がスペインのFCバルセロナへ。そして、15日、鈴木優磨(23歳)のベルギーのシント=トロイデンへ。それぞれクラブ間合意が成立したことが鹿島アントラーズから発表された。

 それぞれ20代前半。チームの中心選手として、昨季ACL優勝に貢献した選手ばかりだ。

「中心選手といっても、昨シーズン後半からだから。これからの選手です」

 シーズン前のカンファレンスで大岩剛監督が語っていたが、クラブとしても、やっと育ってきたという実感を掴んでいたに違いない。

 昨夏、植田直通をベルギーのサークル・ブルッヘに、昨年末には昌子源をフランスのトゥールーズに送り出していることを考えると、鹿島はこの1年で5人もの選手が海外移籍したことになる。

「『海外でプレーしたい』と選手が思うのは自然なこと。代表に選ばれたり、海外のクラブと対戦すれば、外でやってみたいという気持ちは自然と強くなる。俺自身もそうだったから。特に今の若い選手は、俺よりもそういう気持ちは強いと思う。

 俺は『みんな行けっていうし、行ってみようか』という、どこか軽いノリだったけど(笑)。サッカー選手としてプロでやってきて、自分の国を離れてサッカーをするというのは、非常に大きな決断だと思うけど、現役が終わったときに振り返れば、海外でプレーしたというのは大きな出来事だし、すごい大きな経験になるから」

 2010年のワールドカップ後、ドイツの名門シャルケへ移籍した内田篤人はそう語る。

真面目にやればみんな助けてくれる。

 内田はシャルケで数度の延長契約を結び、7シーズンにわたって在籍した。移籍が活発な欧州では異例の長さだ。

 移籍直後の2010-11シーズンには欧州CLベスト4入りを果たし、ドイツ杯でも優勝。5シーズンのうち、リーグ戦で104試合出場した。毎シーズンのように欧州CLやELを戦った。最後の2シーズンは長期の負傷離脱を強いられたが、2017年夏にウニオン・ベルリンへと移籍した際には、退団セレモニーが開かれたほどだった。

 それだけシャルケのサポーターに愛されたのだ。

「周りの見る眼は厳しかった。俺もシャルケに加入した当初は、『なんで内田なんて獲ったんだ』っていう声もあったと思う。最初からうまく行ったわけじゃないし。でも、(マヌエル・)ノイアー(現バイエルン・ミュンヘン)とか、みんなが助けてくれたからね。真面目にやっていれば、みんな助けてくれるから。それにあのシーズンはCLもあって、慌ただしくて、ガリガリっていけた部分もあるけど(笑)」

【次ページ】 プレシーズンから戦いは始まる。

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