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いま世界で一番かっこいい女性。
女子W杯連覇、ミーガン・ラピノー。

posted2019/07/12 11:00

 
いま世界で一番かっこいい女性。女子W杯連覇、ミーガン・ラピノー。<Number Web> photograph by Getty Images

ミーガン・ラピーノーのファッションも言動も、スポーツが持つ「垣根を超える力」を見事に体現している。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Getty Images

 ミーガン・ラピノー──いま世界で一番かっこいい女性のひとりだ。いやこの際、「ひとり」は取ってしまってもいいかもしれない。

 地球上で一番ホットかつクールな女性アスリート。先のフランス女子W杯で最優秀選手と最多得点者に輝き、アメリカを2大会連続4回目の優勝に導いた34歳のアタッカーはその数日後、CNNのインタビューでこう語った。

 質問は、「(ドナルド・トランプ)大統領にメッセージがあるとすれば?」だった。

「あなたは私のような人たちを排除しようとしている」とカメラにまっすぐ目を向けてラピノーは明確な言葉を発する。「有色人種も排除しようとしている。あなたは『Make America Great Again』というけれど、それはほんの一握りの人にとって素晴らしい国にしたいってことでしょう。

 まあ、今もアメリカはほんの一握りの人にとって素晴らしい国で、実際に偉大と感じている人はそんなにいない。あなたには重大な責任がある。この国ひとりひとりの国民を気にかけ、全員のためにもっとまともなことをする必要がある」

 薄紫の髪の毛をすべて後ろに固めたラピノーは、ピッチ上と同じくらいスタジオでも輝いて見える。画面越しでもそれが十分に伝わる。

トランプへの抵抗感を隠さない。

 カリフォルニアのレディングというフットボールの響きを持つ街に生まれたアメリカ代表の15番。フランスW杯で6得点を挙げた彼女は自分がレズビアンと明かしている。

「私のような人たち」とはその意味で、「トランプは同性愛嫌悪者」(byアメリカのバーニー・サンダース上院議員)として知られている。最近ではLGBTをサポートするような姿勢を打ち出しているが、政治の道具に使っているとの疑念も絶えない。

 ラピノーは以前から、国歌斉唱の際にひざまずいたり──NFLのコリン・カエパニックらと同様に──、「(W杯で優勝しても)ホワイトハウスには行かない」と公言したり、現アメリカ大統領の差別的な側面を声高に批判してきた。

 そして2012年のロンドン五輪と2015年のカナダW杯を制していた彼女に、さらなる勲章が加わった。2019年W杯優勝、つまり連覇だ。主将かつ、個人賞を総ナメにする絶大な存在感を放ちながら。

【次ページ】 才能揃いのアメリカでも際立つ存在感。

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ミーガン・ラピノー

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