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本当にこのままでいいのか?
悲しすぎるサンウルブズの除外問題。

posted2019/04/10 08:00

 
本当にこのままでいいのか?悲しすぎるサンウルブズの除外問題。<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

サンウルブズが強くなっていく姿をファンは見続けてきた。あと1年、どんな気持ちで見届ければいいのだろうか。

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近藤篤

近藤篤Atsushi Kondo

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Atsushi Kondo

 1年目は1勝、2年目は2勝だった。3年目は3勝した。

 昨年、ニュージーランドのウェリントンに本拠地を持つハリケーンズ(初優勝までに20年かかった)との試合前、長年同チームの広報担当を務めてきた男性がロッカールーム前の廊下で言ってくれたセリフを思い出す。

「スーパーラグビーはタフな戦いだよ。最初から何もかもがうまくいくわけはない。だから焦っちゃいけない。1年、また1年、しっかりと力を蓄えていけば、きっとサンウルブズは優勝を狙えるチームになっていくよ。大丈夫、100年も待たなきゃいけないわけじゃない」

 サンウルブズの2019年シーズンが始まる1カ月前、都内で行われた記者会見の席で、新しくヘッドコーチに就任したトニー・ブラウンは珍しく強気な発言をした。

「今年はすべての試合を勝ちに行きます」

 熟考し、言葉を選んで話すニュージーランド出身のタフガイが、確固たる口調でそう語った。

「今シーズンのサンウルブズにはそれだけの力があると思っています」

 選手層、この3年間で積み上げてきた経験、スーパーラグビーに挑んで4年目を迎える今シーズン、トニー・ブラウンが「勝ちに行く」と宣言したのは、本当に勝てる要素があったからなのだろう。

今年のサンウルブズは明らかに強かった。

 2月16日、シンガポールで行われたシーズン開幕戦では、南アフリカのシャークスに10-45で敗れたが、続く第2戦では秩父宮でオーストラリアの強豪ワラターズを30-31まで追い詰め、3戦目にはアウェーのニュージーランド遠征でチーフス相手に30-15の勝利。

 その後は黒星が3つ続いたが、どの試合もこれまでの3シーズンとは明らかに違う、極めて中身の濃い、何かポジティブな動きを強く感じさせてくれる負けだった。明らかに、サンウルブズは前進していた。

【次ページ】 南の方から聞こえてきた除外のニュース。

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