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ザック・ジャパンは満身創痍……。
香川抜きでオーストラリアとどう戦う? 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2011/01/28 10:30

ザック・ジャパンは満身創痍……。香川抜きでオーストラリアとどう戦う?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

アジアカップでは、ここまで順当に指揮してきたザッケローニ監督。“背番号10”が去り、他の選手たちも傷んでいる今こそ、“名将”としての采配が求められる

 先発の11人が漏れなく参加するはずのリカバリーは、いつもよりささやかな人数で始まった。

 本田圭は身体をほぐしただけでグラウンドを後にし、遠藤と長谷部もランニングには加わらない。さらには岡崎が途中で列から離れ、長友もランニングではなくストレッチに時間を充てた。試合翌日恒例のシンプルな疲労回復メニューでさえ、すべてを消化したのは、内田、今野、川島、岩政、前田の5人だけだった。1月9日のヨルダン戦から17日間で5試合を戦ってきた疲労感は、否応なしに選手たちの肉体を蝕んでいる。

 前日の韓国戦で右足甲を痛めていた香川は、グラウンドに姿を見せなかった。病院で検査を受けているという。ケガの深刻ぶりを示すシグナルだが、劇的な勝利の残り香が不安の密度を薄めていた。まさかこの数時間後に、最悪のニュースがチームを襲うとは……。

「しっかり回復すれば、自分たちのサッカーができる」

 練習後の囲み取材にザックが応じると、すぐに選手のコンディションに関する質問が飛ぶ。

「(準々決勝の)カタール戦を10人で戦い、昨日は120分を戦った。疲労は蓄積している。それをいかに回復するのかが大切になってくる。なぜ大切かというと、フィジカルコンディションが良ければ良いほど、ウチのプレーする時間帯が増える。実際に昨日のゲームでは、後半は韓国のほうが走れているな、日本のほうが疲れているなという印象があったけれど、ボールポゼッションは日本が高かった。そういうデータもある」

 韓国戦の日本は、チーム全体の走行距離が139.21キロだった。韓国は142.00キロである。その一方で、ボールポセッションでは57対43と日本が上回った。

「バランスと勇気」をコンセプトとするこのチームにおいても、走ることの重要性は変わらない。フィジカルがフィットすれば、もっと走ることができ、さらにポゼッション率を高められる。「しっかり回復すれば、自分たちのサッカーができる」と話す指揮官に、内面のざわつきを感じさせるところはなかった。

 ザックを取り囲んでいた記者が、少しずつばらけていく。ロッカールームから選手が出てきたのだ。いつもより早めに出てきた遠藤が、ゆっくりと足を止める。

「打撲したところが痛かったので、大事を取ったんで」と切り出す。グラウンドでのリカバリーには加わらなかったが、室内でバイクを漕いだという。いつものように淡々とした口ぶりが、大事に至っていないことをうかがわせる。

【次ページ】 「いまやっていることを続けるだけ」(本田圭佑)

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