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さらばハマの兄貴、ゴメス後藤武敏。
楽天コーチで平石監督を男にする。

posted2018/11/28 08:00

 
さらばハマの兄貴、ゴメス後藤武敏。楽天コーチで平石監督を男にする。<Number Web> photograph by Kyodo News

引退セレモニーでは横浜高で春夏連覇を達成した松坂大輔、小池正晃コーチと記念撮影も。

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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Kyodo News

 秋季キャンプも終わり、球界が落ち着きを見せていた11月某日、横浜DeNAベイスターズの二軍施設の裏にある長浦港に面した岸壁に“ゴメス”こと後藤武敏はいた。

 手には釣竿を持ち、のんびりとキャスティング。狙いはシーバスだ。後藤の傍らには横浜高校の後輩である倉本寿彦がおり、初冬の冷えた海風の中、柔和な表情で談笑をしている。

 今シーズンをもって現役引退した後藤がこの施設を訪れるのは、この日で最後だという。2011年のオフに西武からDeNAにトレードで移籍して7年、晩年は長浦で過ごすことも多く、時間があれば好きな釣りに興じたという。しかし、それもこの日でおしまいだ。

 高校時代の仲間である松坂大輔も参加し、ともに涙を流した9月22日の引退セレモニーから約2カ月。後藤に現役を終えた今の心境を改めて訊いてみた。

「ここ2~3年は一杯いっぱい」

「正直、ホッとしている気持ちの方が大きいんですよ」

 優しい表情で後藤は素直な気持ちを語ってくれた。

「ここ2~3年ですかね。肉体的に一杯いっぱいで思うようなプレーができなくなっていた。ただ、若手と一緒にやっていて弱気なところは見せられないし、毎日葛藤しながら過ごしていましたね」

 加齢や度重なる故障で体の可動域が狭まったことにより、イメージ通りにバットが振れなくなった。

「頭と体がバラバラになって、後から映像を見ると描いていたものとのギャップが酷くて……。ポイントも違うし、スイングもぎこちなかった」

 とくに簡単にフライが上げられなくなっていた。後藤のような長打力が持ち味の打者にとって打球が上がらないのは致命的だった。

【次ページ】 引退試合は勝負所の代打。

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