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アジア大会銀獲得の女子ビーチペア。
結成4年目コンビが紡いだ信頼感。

posted2018/09/04 11:00

 
アジア大会銀獲得の女子ビーチペア。結成4年目コンビが紡いだ信頼感。<Number Web> photograph by AFLO

女子ビーチバレー日本勢では12年ぶりの銀メダル。東京五輪に開催国枠を使わずに出場できる可能性も残す強豪ペアだ。

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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AFLO

 8月27日、第18回アジア大会2018ジャカルタ・パレンバンで女子ビーチバレーボール競技の決勝戦が行われた。日本代表の石井美樹(湘南ベルマーレ/新興和製薬)、村上めぐみ(オーイング)ペアは中国代表の王凡、夏欣怡ペアにセットカウント1-2(21-17、19-21、10-15)で敗れ、女子ビーチ史上初の金メダル獲得とはならなかった。

 しかし、石井・村上ペアの決勝進出は、女子ビーチバレー競技にとって12年ぶりのこと。2年後に迫る東京オリンピックに向けて光明の差す結果となったのではないだろうか。

 村上は振り返る。

「最初はメダルを取ることが目標だと言っていたんですけど、勝ち進むにつれて2人とも『金メダル取るよ』という言葉に変わっていきました。戦っているうちに、行けるという感覚になったんでしょうね。

 アジア大会の序盤はなかなかリズムを作れていない感覚だったんですけど、試合を重ねるうちに、完全に状態がいいわけではない中でも『どうやって勝つか』ということを、コーチを含めて話し合うことができた。それが徐々に実現できて迎えた決勝戦でした」

大会の途中でサーブやブロックを変更。

 サーブのねらいが甘いという見解を抱いた石井・村上ペアは大会の途中から「攻めるサーブ」への変換を決めた。

「どうやって攻めていくかというところをもう1回話して、意識を合わせました。『もっとどんどん攻めていこう』と。サーブの強さや、どこを狙うかという場所、そして相手の状況を見て、試合の中でも攻め方を変えることができました」(村上)

 ブロックについても同様だった。準決勝のカザフスタン戦を前に、それまでの試合動画を見て自分たちの戦いを分析した。

「跳ぶときの位置を変えました。それまではネット近くで跳んでいたんですけど、少し離れて跳ぶようにしたんです。映像を見たら、ブロックに跳んだときの自分が窮屈そうに見えたので、『何が違うんだろう』と考えて。『ちょっとネットに近いかな』と感じて、練習で試して、すぐに試合でも実行したら、けっこう止められるボールが増えましたね」(石井)

【次ページ】 時間差でこみ上げてきた悔しさ。

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