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イタリア全土がロナウドフィーバー。
彼はなぜ、ユベントスを選んだのか。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2018/07/25 08:00

イタリア全土がロナウドフィーバー。彼はなぜ、ユベントスを選んだのか。<Number Web> photograph by Getty Images

チャンピオンズリーグ(カップ)優勝13度のレアルに対し、ユーベは2度のみ。CL歴代最多120ゴールのC・ロナウドは悲願達成の使者だ。

フィアットの工場でスト騒動も。

 ユベントスと同じくアニェッリ家が牛耳る自動車会社フィアットの南部工場では「経営難と言いながらサッカー選手獲得に1億ユーロも払うとはけしからん!」と労働組合がストライキを起こしたが、味方であるはずの複数の別団体から「労働問題とロナウドは無関係」と冷静なツッコミが入り、事態は収まった。

 本拠地アリアンツ・スタジアムの年間シートは4日に発売を開始してからわずか15日間で売り切れた。CR7をひと目見ようと、他の19クラブのチケット売上も昨年度の数字を上回るのは確実だ。

 もちろん試合を中継するイタリアSKYや今季からイタリア国内で配信を始めるDAZNも加入者増でホクホク顔だろう。

 当の本人は個人スポンサー・ツアーと休養中で、実際にチームへ合流するのは今月30日からだ。それでも、いまのところ、イタリアのロナウド・フィーバーは留まるところを知らない。

「まだ23歳だからね……ん?」

 彼はなぜユベントスを選んだのか?

 33歳のクリスティアーノ・ロナウドにとって、今回の移籍はおそらくサッカー人生最後の大きな挑戦になる。

 会見で彼は「緊張している。僕はまだ23歳だからね……ん? 失敬、33歳だった」と言って笑いを誘ったが、すぐに「普通ならカタールか中国へ行く年齢だろう。だが、僕はユーベのような偉大なクラブに来れたことで興奮している。肉体的には最高のコンディションだ」と真顔で続けた。

 5月下旬、CL3連覇を達成したキエフでの昨シーズンのファイナルの後、ロナウドはレアルでのキャリア終焉を示唆していた。会長ペレスとの長年にわたる確執の原因は、金銭的待遇への不満と不信感とされている。

 ライバルであるメッシ(バルセロナ)は2010年代に入り、ほぼ隔年毎に年俸アップを受け、昨年11月に更改した現行契約下では基本年俸だけで約5000万ユーロを甘受する。昨夏パリSGへ入団したネイマールの年俸は3700万ユーロだ。

 自らが地球上でナンバー1だと信じるロナウドの年俸は、2016年に更改した2100万ユーロのままだった。

 スペイン税務当局から脱税の疑いで告発され、収監の窮地に立ったときも、ペレス会長とクラブは何の助け舟も出してくれなかった。

【次ページ】 伝説のオーバーヘッドでの拍手。

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