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壮大な自然と世界のワザに息をのむ。
“登山発祥の地”でリードW杯が開幕。

posted2018/07/27 11:00

 
壮大な自然と世界のワザに息をのむ。“登山発祥の地”でリードW杯が開幕。<Number Web> photograph by AFLO

アルプスの壮大な山脈を背景に熱戦が繰り広げられた。

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津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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AFLO

 標高4810メートルの西ヨーロッパ随一の名峰モンブランが、澄みきった天空にそびえる荘厳のロケーションのなか、リード・ワールドカップの新シーズンが開幕した。北西アルプス山脈の麓に位置するヨーロッパ屈指のふたつのリゾート地で、リードW杯の開幕戦と第2戦が行われた。

 7月6日・7日に開催された開幕戦の舞台は、スイス・ヴィラール。スイス国内にヴィラールという地名は数箇所あり、ここの正式名称はヴィラール・シュル・オロンで、フランスとスイスにまたがる三日月型の湖・レマン湖を一望できる町だ。

 伝統的な木造シャレーや、世界的な資産家の子女が通う名門私立寄宿学校やセレブの別荘などが点在し、夏はハイキングやゴルフ、冬はスキーやスノーボードとさまざまなアクティビティが楽しめる高級リゾート地としても知られている。

有力選手が実績通りの妙技を見せた。

 そのヴィラール大会は、開幕戦に向けてエンデュランス(持久力)トレーニングを積んできた有力選手たちが実績通りのパフォーマンスを見せた。

 女子の優勝は、この種目の絶対的な女王として君臨する19歳のヤーニャ・ガンブレット(スロベニア)。2位にジェシカ・ピルツ(オーストリア)。3位には決勝課題で、ホールドを持つ腕にヒザをかけて、そこを起点にして体を垂直方向に持ち上げるフィギュア・フォーという技を繰り出して観客を大きく沸かせた韓国の元女王・キム・ジャーインが入った。

 日本勢は3選手が決勝に進出し、野口啓代(あきよ)が5位、野中生萌(みほう)が6位、小武芽生(めい)が7位。昨年のリードW杯年間ランク3位のアナク・ヴァーホーヴェン(ベルギー)が準決勝で足を滑らせて敗退した以外は、有力選手が実力通りの結果を残したなかでの準決勝突破は、今シーズンへの期待を高まらせた。

【次ページ】 楢﨑智亜がキャリア3度目の表彰台。

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