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オールスターと縁がなかった名選手。
1400安打男や134勝投手が実は……。

posted2018/07/17 07:00

 
オールスターと縁がなかった名選手。1400安打男や134勝投手が実は……。<Number Web> photograph by Kyodo News

オールスター初出場でいきなりホームランを放った栗山巧。パ・リーグのベンチも球団の垣根を越えて大喜びだった。

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 2018年のオールスターが終了し、後半戦へと入っている。交流戦が始まって13年、両リーグの強豪選手の対戦が見られるという熱狂はすっかり色あせた感がある。何らかの改革が必要かもしれないが、「オールスターに選ばれる」ことの意義は色褪せてはいない。プロ野球に身を投じた選手にとっては、「オールスター出場」は昔も今も大きな目標だろう。

 今年、私が喜ばしいと思ったのはソフトバンクの中村晃が選ばれたことだ。すでに3割を3回もマークし最多安打も獲得した好打者だが、球宴には縁がなくて今回、土壇場で滑り込んだ。

 その反面、日本ハムの大田泰示、ロッテの荻野貴司がともに初めて選出されながら、怪我で出場辞退となったのは残念だ。荻野は早くからスピードスターになると期待されたが、毎年怪我に泣かされた。巨人時代未完の大器といわれた大田は、新天地日本ハムで開花したのだが……。

オールスターの常連は錚々たる顔ぶれ。

 オールスター・ゲームは、ファンの人気投票と選手間投票、監督推薦で選ばれる。プロ野球では人気と実力は大体リンクしているから、だいたい順当な顔ぶれが選ばれる。長くやっていれば、スター選手は一度や二度は球宴に出て当たり前、と言う印象がある。しかし、運不運はあるのだ。

<投打別のオールスターの選出回数>
投手
1金田正一17回(400勝)
2江夏豊16回(206勝193S)
3鈴木啓示15回(317勝2S)
4米田哲也14回(350勝2S)
5山田久志13回(284勝43S)
5村田兆治13回(215勝33S)

打者
1野村克也21回(2901安打)
1王貞治21回(2786安打)出場辞退1回含む
3清原和博19回(2122安打)
4張本勲18回(3085安打)
4秋山幸二18回(2157安打)
5福本豊17回(2543安打)
5古田敦也17回(2097安打)
5長嶋茂雄17回(2471安打)出場辞退1回含む

 錚々たる顔ぶれが並ぶ。江夏豊、清原和博を除く全員が殿堂入りしている。

【次ページ】 長嶋茂雄はずっとファン投票1位だった。

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