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ドラフトに「飛び級」があったら。
大学の下級生から候補を選ぶと……。 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byKyodo News

posted2018/07/09 08:00

ドラフトに「飛び級」があったら。大学の下級生から候補を選ぶと……。<Number Web> photograph by Kyodo News

苫小牧駒澤大の伊藤大海は大学2年生ながらプロでも即戦力レベルの完成度を誇っている。

選手が途中で抜ける大学にも補償が必要。

 “任期途中”で離脱する大学チームに対する配慮も必要だろう。決して、あと足で砂をかけるような離れ方があってはならない。

「契約金の何割かを、チームに寄付すること」を制度化したらどうだろう。

 すでに、通常のドラフトでプロに進む選手たちに適用している大学チームもあると聞くが、私はよい事だと思う。「心づけ」にするとアングラのお金になって、何かとグレーな噂が付きまとうが、制度化すれば「卒業税」であろう。

 チームの薫陶を受けて成長しプロ入りする選手が、お世話になったチームにお礼をするというのは悪くない。

 いずれにしても、いくばくかのお金を残していって、それを「奨学金目的」に使ってもらうなり、「設備充実」に役立ててもらうなり、“プラス”の費用にあててもらって、自分が早めにいなくなってしまう“マイナス”を補填してもらう。そんなような考え方だ。

 さて妄想ついでに、2018年のドラフトに『飛び級ドラフト』があったら、指名候補にあがる下級生の逸材はいったい誰なのか?

 実際に探してみなくては、この妄想は終わらない。

進路をプロ野球に絞っているならば。

 最初の1人は、苫小牧駒澤大学・伊藤大海(投手・2年・175cm80kg・右投左打・駒大苫小牧高)として、あとの2人はどうするか。

 伊藤大海の次というと、白鴎大学・大下誠一郎(内野手・3年・175cm90kg・右投右打・白鴎大足利高)の名前があがる。

 学生球界トップクラスのスラッガーである。近年、“絶滅危惧種”に近くなっている右打ちの長距離砲。狙ってホームランを打てる怖さもあれば、タイムリーがほしい場面でセンターから右方向へシュアにライナーのヒットが打てる高い“実戦力”も兼備して、西武の中村剛也、山川穂高の活躍でこのタイプの評価は高まっている。

 加えてチーム内での存在感も絶対的で、大下誠一郎は2年生の時からリーダー的な存在だったキャプテンシーも、プロ側が高く評価する理由になった。

 そして3人目。白鴎大学・中村伊吹投手(3年・180cm73kg・左投左打・星淋高)も実力は確かだが、白鴎大から2人というのはバランスを欠く。

 明治大学・森下暢仁(投手・3年・180cm75kg・右投右打・大分商業高)と迷ったが、創価大学・杉山晃基投手(3年・183cm88kg・右投左打・盛岡大付高)でどうだろう。

 今回の“妄想”は、ひとまずこのへんでひと区切りつけておきたいと思う。

 地下資源と同様、必ずしも豊かでない「人的資源」をより有効に活用するために、たとえば「飛び級ドラフト」のような制度が必要になる時期が、もしかしたら、もうすぐそこにやってきているのかもしれない。

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