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まさかのホームラン誤審で論争勃発。
現在のリクエスト制度は問題だらけ。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2018/06/25 16:30

まさかのホームラン誤審で論争勃発。現在のリクエスト制度は問題だらけ。<Number Web> photograph by Kyodo News

ソフトバンク中村晃の打球の判定を巡り集まる審判団。リクエストで2ランの判定となったが、試合後に誤審を認めた。

映像判定専門の担当者を置くべきでは?

 今回の問題で、現在のリクエスト制度の課題がいくつも浮かび上がった。

 例えば、その試合の審判団とは別に、映像判定を行う専門の担当者を置くべきではないか。また、リプレー検証で使用する映像の精度の向上や、複数の角度からの映像を確認できるようカメラを設置する必要があるのではないか。

 そうした改善案について会見で質問された友寄審判長は、こう話すにとどめた。

「今年初めてリクエスト制度を導入しましたので、いろいろな問題点と課題が出てくると思います。来年に向けて、今年あったことをいろいろと話し合って、ファンや現場の監督、コーチ、選手、審判、すべてが納得できるような制度に持っていければと思っています。シーズン途中でいきなりそれをするかというと、今お答えできることではありません」

 この改善案以前に、オリックス側はまず6月22日の試合について、「試合の続行」を求めた。つまり誤審が起こる前の場面からのやり直しである。

特例の措置を認めてほしいとの要望が。

 仲野パ・リーグ統括は、再試合の可能性について「今の野球規則上、認められていない」と語ったが、長村本部長はこう強調した。

「ルール上はそう言うでしょうけど、今回の場合は、向こうが認めていなくてこちらが一方的に言っているというわけではない。もう完全に審判も“間違いだった”と認めているんだから、完全なファールということで、特例の措置を認めてほしいという要望です。

 それぐらい、ことは重大なので。延長で同点で、2アウト一塁で、ホームランになるのとファールでは……。プロの世界で勝敗を背負って、みんな責任と覚悟を持って、毎日試合に取り組んどるんだから」

 仲野パ・リーグ統括は24日、オリックスからの要望は25日にNPBに持ち帰り検討すると語った。

「コミッショナーの諮問機関である野球規則委員会というのがございますので、いろいろな委員のかたとも話をして、明日(25日)以降、ちゃんとしたコメントを出します」

【次ページ】 仮に僅差で優勝、CS進出が決まったら。

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