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オペラオー以来、17年ぶりのGI勝利。
宝塚記念は和田竜二を大きくする。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2018/06/25 12:20

オペラオー以来、17年ぶりのGI勝利。宝塚記念は和田竜二を大きくする。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

波乱の宝塚記念を制した和田竜二とミッキーロケット。若くしてブレイクした騎手の再ブレイクは喜ばしいものだ。

オペラオー以外の馬で初めてGIを。

 デビュー23年目、40歳になった昨年、キャリア最高の96勝を挙げた。そしてこの日、オペラオー以外の馬で初めてGIを勝った。同期の福永祐一が19回目の挑戦でダービージョッキーになった翌月、自身もひと回り大きくなることができた。

 オペラオーが引退した直後は会いに行ったが、次に行くのはGIを勝ってからと決めていた。そのため、再び牧場を訪ねたのは急死した翌週の5月24日になった。

「こだわらなくていいんだよ」とオペラオーに言ってもらったような気がしたという。これからは本当に、何の気兼ねもなく行くことができる。

 音無秀孝調教師は、のべ13頭目の挑戦で宝塚記念初勝利。GIはミッキーアイルで'16年マイルチャンピオンシップを勝って以来、通算9勝目となった。

 生産者のノーザンファームは宝塚記念を4連覇。今年上半期の平地GI12戦のうち、これが半数の6勝目となったのだから、凄まじい。

関ジャニ効果で入場者は増えたが……。

 ミッキーロケットは、夏場を休養にあて、秋は10月8日の京都大賞典から始動する見込み。音無調教師は「ジャパンカップを狙おうかと思っている」と話している。

 なかなか「ポスト・キタサンブラック」と言える馬が現れないだけに、ミッキーロケットの今後に期待したい。

 この日の阪神競馬場の入場人員は、前年比122.4%の6万5800人に上った。しかし、宝塚記念の売上げは前年比90.9%の192億1928万7700円にとどまった。

 キタサンブラックが出ていた去年より入場人員が大幅にアップしたのは、関ジャニ∞の村上信五、横山裕、錦戸亮が、宝塚記念の前に国歌斉唱を行い、表彰式でプレゼンターをつとめたからだと思われる。

 去年の入場人員は5万3746人。前年比73.5%だったから、単純な引き算では見当違いな数字になるのかもしれないが、少なく見積もっても、数千人が関ジャニ∞目当てだったと見ていいだろう。

 その増員ぶんが馬券の売上げに直接結びつくとはJRAも期待していなかっただろうが、関ジャニ∞がいなければ絶対に来ることがなかった数千人が競馬場に足を運んだことが、じわじわと何らかの効果をもたらすことを、ひとりのファンとして願いたい。

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