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日本代表が2戦連続で見せた名勝負。
西野采配が当たるのには理由がある。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2018/06/25 11:45

日本代表が2戦連続で見せた名勝負。西野采配が当たるのには理由がある。<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

乾貴士の1点目は、長友佑都のランに柴崎岳のロングパスが合ったところから生まれた。

宇佐美の投入は「ワンチャンス」のために。

 2-2に追いついた最終盤には、乾を下げて宇佐美貴史を投入した。「(引分けで締める意図で)違うカードも考えたが、まだワンチャンスある。最後に勝ち切りたい思いで出した」という交代である。宇佐美は後半アディショナルタイムにシュートチャンスを迎えたから、西野監督の狙いどおりにワンチャンスはつかめたわけだ。

 セネガルの身体能力に臆することなく、ピッチで戦った選手も、交代カードを切った監督も、アグレッシブな姿勢を貫いた。その結果が、2-2のドローだった。

 日本対セネガル戦を受けて行われたポーランド対コロンビア戦は、コロンビアが3-0で快勝した。2試合を終えて日本とセネガルが1勝1分の勝点4で並び、1勝1敗のコロンビアが勝点3で追いかける展開となった。

 FIFAランキングがグループ内最上位のポーランドは、連敗でグループリーグ敗退が決まった。日本はポーランドとの第3戦を引分け以上で終えれば、2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めることができる。

2試合で4得点は日本史上初めて。

 懸念材料がないわけではない。GK川島永嗣が、コロンビア戦に続いて失点につながるミスをおかした。1失点目のパンチングは明らかな判断の誤りで、2失点目もポジショニングが中途半端になってしまった。西野監督も1失点目の判断については「非常に残念」と話したが、「そのあとは永嗣らしい修正で、ピンチも防いだ」と擁護している。

 GKを交代するなら、この日のセネガル戦だった。ポーランド戦で代えるのはリスクが大きい。時機を逸してしまった。

 このまま川島を起用するのか。それとも、東口順昭か中村航輔を抜てきするのか。西野監督がどちらの決断をしても、日本は不安を抱えることになる。

 2試合終了時点での勝点4獲得は日韓W杯以来で、2試合で4得点は6大会目で初めてだ。GKの不安をカバーできるほどの勢いを、いまの日本がつかんでいるのも事実である。

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