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リオ世代を診たドクターが明かす、
大島、植田、遠藤の素顔とタフさ。 

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吉田治良

吉田治良Jiro Yoshida

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posted2018/06/18 17:00

リオ世代を診たドクターが明かす、大島、植田、遠藤の素顔とタフさ。<Number Web> photograph by Getty Images

前評判は高くなかったが、2016年のAFC U-23選手権で優勝したリオ世代。彼らの経験値がW杯で生きる時は来るはずだ。

大島は「大人しくて真面目で人見知り」。

 そんな高木氏が大島と初めて出会ったのは、'08年から4年間務めた川崎フロンターレのチームドクター時代だった。静岡学園から'10年11月に入団した大島の第一印象を、こう語る。

「皆さんが抱く印象と同じですよ。大人しくて真面目で、人見知り。ワーッという騒がしさにストレスを感じるタイプですね。そっとしておいて、と訴えかけるような(笑)。もっとも、テクニックは当時から素晴らしいものがありました。だからこそ、A代表デビューがアジア最終予選の初戦(対UAE)という緊張度の高いゲームだったのは、かわいそうでしたね」

 '16年9月、ロシアW杯最終予選の初戦でいきなりスタメンに抜擢された大島は、失点につながるミスを犯し、以降、およそ1年間、代表から遠ざかった。しかし、その間に心身ともに逞しさを増した彼は、自らの力でロシアへの道を切り開くのだ。

植田が優れていた“体のバランス”。

 リオ五輪に向けてチームを立ち上げた当初からメンバーに名を連ね、そのまま本大会に出場したのは、浅野、植田、原川力(現サガン鳥栖)、矢島慎也(現ガンバ大阪)の4人。その中でも植田については、こんな印象を持っていたという。

「選手を見る時は、まずはサイズから。特にCBなら、がっちりしていて高さも欲しいけれど、大切なのは手足の長さなど“体のバランス”なんです。リオ五輪のメンバーでフィジカル的に凄いなと思ったのは、オーバーエイジ組の塩谷司(現アル・アイン)ですが、植田も身体能力では負けていなかったですし、バランスも良かった」

 五輪代表チームを支えるメディカルスタッフは、トレーナー2名、コンディショニングコーチ1名、そしてチームドクター1名で構成される。大会期間中は、この4人で連日メディカルミーティングを行ない、情報を共有するのだが、チームドクターに求められるのは、何よりも「医師としての判断」だ。

【次ページ】 戦列に戻す判断が問われる。

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