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ロシア連邦総領事館員が教える、
W杯を迎える現地の本当のところ。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byChigirev Anton

posted2018/06/11 07:00

ロシア連邦総領事館員が教える、W杯を迎える現地の本当のところ。<Number Web> photograph by Chigirev Anton

南アフリカ、ブラジルと続いてきたことを考えると、ロシアでのW杯は日本人サポーターにとっても過ごしやすい大会になりそうだ。

スリだけは気をつけた方がいい。

 ロシアのフーリガンは欧州サッカー界では過激なことで知られ、たびたびCLやELでトラブルを引き起こしてきた。今大会はその対策も、しっかり行われているようだ。

「ロシアの約460人のフーリガンがブラックリストに載せられ、街中や駅に設置されたカメラによってそれらの人物が自動的に検出されるシステムが導入されました。さらに計3万人が警備に動員されることになっています」

 個人的に20回以上モスクワに行った筆者の経験を言えば、地下鉄ではスリに気をつけた方がいい。少し混んでいる車内で、妊婦のお腹がこちらに当たるのを不思議に思っていたら、ポケットの中から財布を抜き取られそうになっていたことがあった(ぎりぎりのところで気づき、被害は免れた)。

 そもそもW杯は世界中からスリが集まることから、「スリのW杯」と呼ばれることもある。どこで開催されようが、W杯では注意が必要だ。2006年ドイツ大会でも、2010年南アフリカ大会でも、2014年ブラジル大会でも、筆者の身近な知人が財布や荷物を盗まれた。ロシア大会にも相当数のスリ集団が集まると予測される。

 ただそういう軽犯罪を除けば、ロシア大会の警備体制はかなり力を入れられていると言っていいだろう。試合以外の時間に、安心して街へ繰り出すことができそうだ。

ロシア料理もいいが、ジョージア料理も。

 アントンが「ぜひ堪能して欲しい」と勧めるのは、ロシアの多様な食文化だ。

「ロシア料理というと、ボルシチ(ビーツのスープ)、ピロシキ(肉まん)、ペルメニ(餃子)が有名ですが、旧ソ連時代のつながりでジョージア料理、ウズベキスタン料理、タタール料理も味わうことができます。特にオススメなのがジョージア料理です」

 かつてグルジアと表記されていたジョージアは、トルコとロシアにはさまれたコーカサス地方にある国だ。自然が豊かで、さらに中東とヨーロッパの文化が交じり合い、香辛料を生かした独自の食文化ができあがった。

「元ガンバ大阪のDF、ツベイバさんがジョージア出身で、モスクワ市内でジョージア料理をごちそうになったことがあります。小籠包を大きくしたような形の水餃子『ヒンカリ』が人気で、まず逆さにしてかぶりついて中のスープを飲み、続いて皿の上でフォークとナイフで切って口に運ぶ、という食べ方をツベイバさんに習いました。すごくおいしいですよ」

【次ページ】 モスクワ駐在員の間でも定番。

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