才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER

有森裕子が今なお実感する言葉の力。 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

PROFILE

photograph byAtsushi Hashimoto

posted2018/06/13 16:00

有森裕子が今なお実感する言葉の力。<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

人間って良くも悪くも、変化していける。

 私もそうでしたが、ほとんどのアスリートって継続してレースに出なきゃいけない、見えていなきゃいけない、って思っちゃうんですよね。そんなスーパーマンみたいな人はいるはずがないのに。本当は落ちてもいいし、消えてもいいんですよ。人からは消えているように見えても、自分が自分を消さなければいい、自分の気持ちが消えなければいい、ってことになかなか気づけないんです。それで、辞めちゃうアスリートは意外と多いですよ。

 表舞台から1回消えるというのは、その人のキャリアが大きければ大きいほど、しんどいですから。でも、人間そんなに弱くないし、自分にやる意志があるなら、自分の気持ちさえ生きていれば、なんとかなるんです。だって、生きてるんですから。

 人間って良くも悪くも、変化していけるものなんですよ。だから何かに縛られるのではなくて、もっと思いと時間を使って楽しむことが大事だと思っています。もちろん、時間もかかるし、しんどいことも多いのですが、今の状況をネガティブにしないためにはどうしようかと自分で考えて、プラスにしていく努力はできる。それは競技に限らず、普段の生活においても、そうありたいと思っています。

有森裕子

有森 裕子Yuko Arimori

1966年12月17日、岡山県生まれ。マラソン選手として活躍し、'92年バルセロナ五輪で銀、'96年アトランタ五輪で銅と、日本女子陸上選手では唯一2大会連続でメダルを獲得。'07年に現役を引退。現在は国際オリンピック委員会(IOC)スポーツと活動的社会委員会委員、スペシャルオリンピックス日本理事長、日本陸上競技連盟理事など幅広く活動中。

毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すBS朝日の番組。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探ります。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

MC:浅尾美和

第7回:有森裕子(マラソン)

6月15日(金) 22:00~22:24

様々な社会活動に取り組みながらスポーツイベントにも参加し、走ることの楽しさ、素晴らしさを伝えている有森裕子さん。51歳になった今、一緒に走る人たちに伝えたいメッセージに迫ります。また、'96年アトランタ五輪のゴール後に発した「自分で自分を褒めたい」という言葉の裏にあった、意外なドラマも紐解きます。

第8回:大場美和(スポーツクライミング)

6月22日(金) 22:00~22:24

17歳の時にスポーツクライミングワールドカップ日本代表に選ばれ、一躍注目を集めた大場美和選手。大学進学を機に拠点を横浜に移し、2年後の東京五輪を目指して日々トレーニングに励んでいる。古着を買うことが息抜きになるという20歳のプロクライマーのオフにも密着。彼女が常に“和の心”を大切にする理由とは?

関連コラム

BACK 1 2
有森裕子

ページトップ