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メンバー、布陣、呼び方に西野流。
最大の迷いどころはやはり2シャドー。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/06/01 13:00

メンバー、布陣、呼び方に西野流。最大の迷いどころはやはり2シャドー。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

W杯まであと3週間、西野ジャパンはいままさに戦う形を模索しているところなのだ。

チームを変えるぞ、という意思表示。

デスク「ガーナ戦を終えて西野監督は『本大会も3バックで行くとは選手に言ってない』とあくまで検討中だという姿勢は崩していないけど、実際3-4-2-1で戦うのかな?」

二宮「それでもガーナ戦の布陣が基本にはなってくると思います。迷う時間はないですからね。しかしながら、ずっとやってきた4バックの蓄積がチームにはある。うまくいかなかったら、立ち戻ることはできるという計算はあるはずです。経験重視のメンバーにはそういう意味も含まれているのでは」

デスク「でも時間がないなら、4バックのままで精度を上げていったほうがいいという考え方もあると思うけど」

二宮「西野監督としては“代表を変えるぞ、代表チームが変わるぞ”という意思表示だとは思いましたね。変えることで、チームの危機意識や一体感を生み出そうとしているというか、大きな変化をエネルギーに転換したいのだと。ベテラン監督のそういった勘も働いての3バックへのトライだと思いますよ」

DF、MF、FWを区別しないのも西野流。

デスク「西野監督の3バックと言えば、やっぱり'96年アトランタ五輪。ブラジル相手に5バック気味で耐えて“マイアミの奇跡”を起こした。思い出すなあ」

二宮「あのときロベルト・カルロスと対峙する右ウイングバックには背番号10の遠藤彰弘を配置するなど、決して防戦態勢で臨もうとしたわけじゃない。5バック気味になったのも、選手たちの判断を尊重してのこと。

 今回、DF、MF、FWと区別せず、フィールドプレーヤーと呼ぶのは西野流。極端に言えばスタートポジションと最低限の約束事を履行すれば、あとはピッチで実際に戦う選手たちの判断を尊重するタイプの監督さんだなとは思います。ガーナ戦でも選手たちが自分たちでコミュニケーションを取って、修正しようとする姿勢は見えましたから」

【次ページ】 攻めのカードには“らしさ”がにじむ。

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