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日本ボウリング界のレジェンド
矢島純一、“最後の”アメリカ挑戦。 

text by

朴鐘泰

朴鐘泰Park Jong Tae

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photograph byAsami Enomoto

posted2018/05/30 16:30

日本ボウリング界のレジェンド矢島純一、“最後の”アメリカ挑戦。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

矢島も参加する中野サンプラザボウルの「アフタヌーンリーグ」のボウラーたち。

ボウラーは孤独だが……。

 今年はITRCスーパーシニアクラシック(5月30日~6月3日)、USBCシニアマスターズ(6月3日~10日)、PBAシニアUSオープン(6月10日~15日)と3つのトーナメントに挑む。これまでと同様に、矢島は単身、アメリカへと渡っている。

 アプローチに立つボウラーは孤独だ。見えないレーンコンディションを読み、どのボールを使ってポケットへのラインを通すか、すべてひとりで見極めなければならない。

 しかし、けして矢島は孤独ではない。

 ピート・ウェバー、ノーム・デューク、パーカー・ボーン三世といったアメリカボウリング界のレジェンドたちが、矢島との再会を心待ちにしている。現地には物心両面においてサポートしてくれる在米日本人の方々もいる。

「これで最後」とは言わせない。

 プロ生活50余年。ひとりでは何もできない、ということを、矢島は誰よりも知っている。「私もこの競技を知らなければならない」と自らもボウリングに励む中村博トレーナーの施術なくして、今までボウリングを続けることはできなかっただろう。

 また、可能な限り矢島の練習や試合を見守り、「主人が少しでも長く続けるために私ができることはこれ」と矢島を食事面で支える妻・邦子さんの手厚いサポートなくして今の矢島はない。

 プロアマ問わず日本全国で矢島の手ほどきを受けたボウラーたちは、遠く離れた日本からエールを送る。その思いは皆、同じだろう。

「これで最後」とは言わせない。打ちまくれ、ビッグ・ジュン――。

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矢島純一

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